ぎっしり凝縮された増田ギャグワールドの世界、第2弾
1話5分だからこそ魅せてくるギャグワールド
ギャグマンガ日和のアニメ第2期になります。全12話構成、DVDは上巻(6話収録)・下巻(6話収録)の全2巻。「こんなに収録話数が多くていいの?」と思われがちですが、相変わらずの1話5分で終わるという超スピーディなギャグアニメです。でも、そこは短いと言って侮ることなかれ。映像と歌詞とどこから突っ込んで良いのか分からないオープニング曲に始まり、次々と進んでいくテンポの良いシュールギャグ、声優の滑舌の良さと切れ味の良いツッコミ、気の抜ける面白おかしいエンディング曲・・・と最初から最後まで油断できません、気付いたら終わっています。かなり濃い内容の5分アニメです。
古今東西、色んな舞台がテーマとなるギャグの数々
ギャグマンガ日和の舞台は古今東西、老若男女問わず様々な世界が舞台となります。飛鳥時代の偉人・聖徳太子と小野妹子、元禄時代の俳家・松尾芭蕉と曽良といった歴史上の人物が主役になる回もあれば、浦島太郎やロボットや漫画の主人公が主役になる回、クマとウサギの探偵ものなど、様々な原作の引き出しから選りすぐりのギャグを選んでアニメ化しています。(たまにそれをアニメ化するんかいというものもありますが、動きと声が付くことで一層面白くなった作品も多いです)第2期アニメでは歴史上のキャラと現代オリジナルキャラの話が半々くらい収録されています。話の奇抜さ、シュールさはもちろんのこと、原作で好き放題だったキャラクターたちが、さらに好き放題動いています。
ギャグの切れ味、声優のツッコミの本気
1話5分だけあって、いちいち背景に力を入れたりキャラを動かしていては時間が勿体ありません。あくまで見て欲しいのはギャグセンスと声優の演技力。とにかくサクサクと話が進んでいく中、原作の特徴である「ボケのシュールさ」「キレッキレなツッコミ」を5分の中で見事に表現しています。マンガのコマ割りのように、次々にコマを追っていく画面の切り替え方は珍しい演出方法なのでは。この演出によってテンポ良く、そして淡々と話を進めていきます。それにプラスして一層ギャグに拍車がかかるのが声優の演技力。特に、ギャグマンガ日和の代表的キャラである聖徳太子と小野妹子が登場する第3話「聖徳太子の楽しい木造建築」では、太子役の前田剛さんと妹子役の竹本英史さん(第3期から名塚佳織さんに配役交代になりますが)のボケツッコミのやり取りが秀逸です。次から次へとボケをかましてくる太子と、ひとつひとつのボケに対して的確なツッコミを繰り出す妹子のスピード感に圧倒されます。また、太子が弾けもしないギターを弾くシーンの手の動き。やばいです。まさかこんな俊敏でキモカッコイイ動きだったとは。第2期の中で一番好きかもしれません。原作でも十分笑いましたが、アニメでは一層「ギャグの疾走感」に力が入っているといった印象です。珍しいと思ったのは、第8話後半パートの「さよならおじいちゃん」。内容はギャグなのですが、最後におじいちゃんが死んでしまう終わり方です。原作ではポックリ死んだ印象なのですが、おじいちゃんに声がついたこと、セピア色の映像が一層おじいちゃんの思い出を引き立てノスタルジーに、少しほろりとくるような終わり方へと印象が変化します。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)