考えるな、楽しめ!の精神でどうぞ。 - 舞妓 Haaaan!!!の感想

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舞妓 Haaaan!!!

4.564.56
映像
4.44
脚本
4.39
キャスト
4.56
音楽
4.28
演出
4.33
感想数
9
観た人
13

考えるな、楽しめ!の精神でどうぞ。

4.04.0
映像
4.0
脚本
3.5
キャスト
4.0
音楽
4.0
演出
4.0

目次

舞妓Haaaan!!!のインパクト

リアルタイムではCMを初めて見たとき阿部サダヲさんが舞妓になるために奮闘する映画なのかと思いました。タイトルのロゴもはーんではなく、aが何文字も連なる印象的なもので、映画がとにかくテンション高めに進展して行くんだろうなというのがまず抱いた感想でした。蓋を開けてみると、舞妓さんの追っかけをしている阿部サダヲさんが芸者遊びをするために奮闘するコミカルな展開でした。追っかけ仲間の中でバナナマンの日村さんがいたのには驚きましたし、妙に役にはまっていて特別浮いた存在というわけでもなく、いい味を出していて序盤のシーンでは結構好きなシーンでした。銭湯で京都支社への転勤報告をする際に阿部サダヲさんの拍手を贈るのも一番前の列で違和感なく祝っていたので、実は現実にも舞妓さんの追っかけをしているんじゃないかとすら思える自然さでした。 京都市社がかやく工場と言われていることも知らず、自分の趣味を間近で感じられる環境に喜ぶきみちゃん。彼はきっと舞妓という存在があればどこででも頑張れる人で、そして物語でものし上がっていきます。初めはサイト荒らしのナイキに言われて京都へ、そして一見さんお断りを突破すべく会社の社長へ猛アピールするところで彼の精神力と舞妓さんへの情熱の底知れなさが凄まじくて軽く笑い、商品開発を進めてヒット商品を生み出します。なんという才能。叶えたい夢のための努力にうっすら感動すら覚えました。そして舞妓さんとのお遊びを叶えると今度は舞妓さんの旦那になると猛奮闘します。野球選手になったり俳優やったり格闘技をやったり選挙に出馬してみたり、めまぐるしく情熱を注ぎ、最終的には放火で逮捕。もはや彼の情熱は凶器だなあと思いますが、それだけ強い思いを持っていることを少し羨ましく思いました。

柴咲コウさんの変わりよう

もしゃもしゃパーマのドジっ子が好きな人を追いかけて舞妓の修行を始めて綺麗になって、ビフォーアフターが激しいなあと。もともと美人ですし、好きな人と一緒の会社で一緒にいれて、ぬるま湯にどっぷり浸かっていた彼女ですが、本当に彼に振り向いてもらいたいという気持ちの大きさは本物でした。そして最後はきみちゃんの幸せを願い、自ら別れを切り出します。切ないシーンです。しかし、阿部サダヲさんはそのときパンツ一丁です。このシュールさで泣くシーンがあるとは、女優さんの凄さも改めて実感しました。内藤に気に入られてきみちゃんとは敵対するのですが、いつも想っている人物はきみちゃんでした。選挙で負けた腹いせに爆弾をけしかけた際も心配そうにしていました。三重の女と、三重の人には大変失礼な発言も多々ある中で、柴咲コウさんが三重の女なら(三重県民ではないですが)私は大喜びします。白粉を塗って、お着物を召して、高い下駄をからんころん言わせて歩いてみたいです。なぜきみちゃんは最後の最後まで彼女であることに気がつかなかったのか、それほど舞妓に化けた彼女が美しかったんでしょうね。きみちゃんの目は節穴です。

阿部サダヲの肉体美

バラエティなどに出演しているときはあまり喋らず、ただ質問に受け答えをするというおとなしい印象の阿部サダヲさんです。それが役に入ると破天荒ぶりが際立って、そのギャップに魅力を感じます。そして企画力。カップ麺をプロデュースし、会社がプロ野球界進出、そして驚異の新人として活躍しまくります。このポテンシャルはいかに。阿部サダヲさんは背があまり高くはありませんが、身体は結構鍛えていらっしゃるのか、胸板は厚かったです。華奢なイメージでしたが、書きれていた肉体は顔に似合わず素敵にムキムキでした。確かに、顔はどちらかというとかわいらしいのに、脱いでみたら引き締まった鍛えられた身体では、柴咲コウさんもカッコ良い!と言いますよ。自分のデスクでカップ麺を啜りながらブログのコメントのやり取りをしている姿のどこがカッコ良いんだと不思議に思いましたが、きっともろもろ全てを見てきた上でカッコ良いのでしょう。それで納得させます。

こねくり回された結末

駒子ちゃんの旦那になるべく奮闘しますが、駒子は喜一郎が好きです。兄として慕っていましたが、そんなこんなで市長になった喜一郎の打ち出した一見さんお断りの廃止、という提案に抗議をしに行ったとき、実に父親であることが発覚しました。ここにきてなんという修羅場でしょう。宮藤官九郎さんはこういうぶっ込みをちょこちょこ入れてくる脚本が多く、少しだけしつこい設定をするんですよね。この事実がなければ後々の話に進まないのはまあ理解できるとしても、それだったらもう少し前の展開を落ち着かせて進行してほしかったなあと思いました。結構ヘビーな話をさらっとぶっ込んで終わりはみんなハッピーという無理やり感がこの作品では強かったです。まあ、コミカルな映画なので、そこまでシリアスさを求めてはいないのですが、なんというんでしょうか、これも宮藤官九郎流の不自然な完成形なんでしょう。円を描いているはずなのに途中で拗らせてハートになっちゃったような展開でした。しかし、最後の山田孝之くんが初芸者遊びをしに来たときの初老化したきみちゃんはすっごく好きです。

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