凸凹コンビは面白い
2時間サスペンスっぽい
スチュワーデスで見た目も細い・太いで正反対、性格も慎重だったり大雑把だったりする2人が殺人事件に遭遇し解決する。
まさに2時間サスペンス的な作品。
事件が起きて、その現場にデスの2人がいる。そして鍵やヒントがでてきて、解決へというパターン化している作品ではある。
ただスチュワーデスが主人公なので、すべての話が飛行機がらみなのは新鮮で面白い。
その飛行機の中で”忘れ物に御注意ください”という話は面白かった。
殺人事件ではないが、飛行機に赤ちゃんを忘れたという展開で「赤ちゃんを忘れるか?そんなバカな!?」と、思わず口に出した斬新な発想の話は笑った。
現在では、セキュリティとかも厳しいと思うので、1990年代じゃないと絶対ありえない話だと思った。
ビー子がアクセント
凸凹コンビというのは、やっぱり面白い。
この作品でいえば、頭のいいエー子といいトコなしのビー子。
先に挙げた話でも、忘れ物の赤ちゃんを預かる事になって格闘したり、母親が分かって別れる時の落ち込み方など、喜怒哀楽がハッキリしていて面白さがある。
”お見合いシートのシンデレラ”の場合には、好みの男性に翻弄されるビー子も、読んでいる方からすれば、事件がらみというのは分かっているけど楽しめた。
頭が良いだけの人物が事件に遭遇して解決するだけなら、少し味気ないと思うので、頼りなくてお茶目、そして翻弄されやすい性格のビー子がアクセントにになってて良い作品。
タイムリミットと人数制限
事件が起きて、現場が乗り物の場合は、時刻表とか数字がたくさんでるイメージがあるが、この作品にそれはない。
それに、殺人事件というタイトルが付いているにもかかわらず、必ずしも殺人事件が起こる作品ではない。
殺人事件ではない話で、時刻表も出てこない話がある。
それは”とても大切な落とし物”で、これは飛行機内で拾った落とし物の持ち主を探す話だが、落とし物がまさかの「遺書」である。
まず「遺書を落とすか?」というところから、この話に引き込まれていき、さらに乗り物系の話だけあって、持ち主を探すタイムリミットは飛行機が到着するまで。
ある程度、到着まであと何分という、緊迫した時間経過を楽しみながら、持ち主を推理していく展開は、乗り物系ならではの面白さがあった。
例えば、落とし物を拾ったのが飛行機など乗り物内でなければ、拾ったとしても制限時間内に探すというドキドキ感はない。
また、限られた人数の場所じゃないと、落とし主を探すという気分にすらならないと思う。
この2点が「遺書」という、なかなか落とさない落とし物で盛り上げてくれたので、この話はお気に入りです。
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