姉妹愛がうらやましくなる作品
姉妹の愛の映画
姉妹の絆の物語です。まじめな弁護士の姉と美貌を売りに読書障害というコンプレックスを持ちながら気ままに暮らしている妹。姉妹は母の自殺と父の再婚という中で強く結びついているのですが、妹が姉の男と寝たことで、その関係にひびが入ります。よくあるパターンではあります。
そんななかで、妹はもう亡くなっていると知らされていた母方の祖母がいるフロリダへ旅立っていきます。そこでお年寄りたちとの交流を通じて、いろんなことを少しずつ学んでいくわけですが、一方で姉もひょんなことから犬の世話をすることになってその散歩作業に弁護士の仕事を止めて従事するなど二人の生活は徐々に代わり始めて、二人はフロリダで再会し、和解するというのがストーリーになっています。
新しい体験が人間を成長させてくれることを示している
まあ、いわば、新しいことを経験することで、これまでの自分を改めたり、許容力を学んだりするということで、私たちの人生に常に起こる、いわば「反省」と「成長」なんでしょうね。
とにかく作品が何ともいえないいい雰囲気です。キャメロン・ディアスが出ているときくと、よくも悪くも、軽くて、はちゃめちゃで、馬鹿笑いして、ちょいエロで、という想像をしてしまいますが、この作品にはそれがなかった。ただ、奔放さ(私は愛されて当然という傲慢さ)に腹立たしさを覚えたり、これを支える姉がやたら過保護に妹をフォローするところにはじれったいというか、イライラ感を禁じ得ない人もいるかもしれませんね。
まあ、そこを、誰をも落ち着かせやさしい気持ちにさせてくれるシャーリー・マクレーンの存在が救っているわけですが。
雰囲気の統一感がいい
まずその雰囲気がピシーッと統一されているのがいいです。それからかなり低いテンション。物語的にも全く「とびはねる」ことがなく、言い方を変えれば、劇的なところもこれといってないし、むしろ「ぎくしゃく」しているという感が強いです。
それでも三人の女優がそれぞれにいい味を出しているので、全くもって素晴らしい足腰のしっかりした作品に仕上がっていますね。
物語はある意味、本当に誰にでも起こりうる人生の一断片(と呼ぶには多少劇的ではありますが)で、そこで取り巻くリアルな人の反応、その表情などがうまく描かれていて、ちょっとした冒険譚と言えば大げさでしょうか。かなりの余韻も残り、秀作であります。
女性向きの作品といえば作品です。またお姉さんや妹が欲しくなると思える映画です。
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