世界が家族
全世界の子供
まず彼は世界中の視聴者からどんな目でみられてきたのか。それは自分の子供であることと同じ目線であるということ。トゥルーマンはまだ胎児のときから世界に中継されてきました。そんなときから見ている視聴者にとって彼は子供のようなもの。最後彼がスタジオから逃げ出そうとしたとき、止めるものはおらずむしろ逃げ出せたことに歓喜しました。トゥルーマンにとっては迷惑な話ですが、皆彼の味方であり傷つけることは望んでいないんですよね。そしてそれは製作者側も一緒で……そう考えると全世界が彼の家族であるのだなって思いました。もちろん道徳的にどうなんだって設定ではありますが、誰もが彼の幸せを願っていたからこそトゥルーマンは世界が自分を中心にして物事が進んでいるようだと感じたのではないでしょうか。
人間不信
この映画をみて思ったのはまるでシムズというゲームをやっているような気分になったこと。でもこれはゲームじゃないんですよね。映画ではなくもしこれが現実だったら、彼はスタジオのドームを抜け出したあとほかの人を信じることができるのかとても心配になるでしょう。今まで周囲で起こったことや人は彼にとっては偽物なのですから。芸人さんが番組で話しているのを聞いたことがあるのですが、ドッキリばかり仕掛けられているとついこれもドッキリなんじゃないかって部屋などでカメラがあるかもって思ってしまうらしいです。産まれる前からずっとそういう対象だった彼のことですから、今後生きていくのはとても大変でしょうね。今まではずっと自分の世界でしか生きていなかったわけですから。二度目の誕生はそう甘くない現実だということを受け入れるのに時間がかかりそうです。
幼馴染の心境
子供の頃から一緒に過ごした友達は実際はどう思っているのでしょうか。奥さん役の人と一緒で仕事だからと思ってたら大変ショックです。小さい頃から一緒にいる人ってやっぱりものすごく特別なんですよね。一緒の思い出も全て嘘になってしまったら自分だったらとても耐えられません。かつての想い人はそれが嫌でキャストを辞め、現実にもどったトゥルーマンを最後迎えにいこうとしますが他の彼の人生に関わったキャストはどう感じるのでしょうか。人気番組にでられなくなったことを落ち込むのか、彼の今後を想ってくれるのか。基本的にはコメディな映画ですが、そういった映画のあとの物語を考えさせてくれるような深い作品になっているかと私は思いました。
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