僕に何ができるか決めつけるな
ヴィンセント・アントン・フリーマン
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ガタカは、アンドリュー・ニコル監督・脚本、ダニー・デヴィート/マイケル・シャンバーグ/ステイシー・シェア製作のアメリカのSF映画である。 主演のヴィンセント・アントン・フリーマン役にイーサン・ホークを配役し、アイリーン・カッシーニ役にユマ・サーマン、ジェローム・ユージーン・モロー役にジュード・ロウを配役している。 遺伝子工学の進歩にり胎児間に劣性遺伝子を排除することが可能になった。劣性遺伝子排除ではない自然の形で生まれた、ヴィンセントは生まれつき心臓が弱く30年の命と宣告されていた。弟のアントンは劣性遺伝子を排除されて生まれてきているため、ヴィンセントは自分が不適合者として見限られたと思い、適合者になりすまし宇宙局へ入社し宇宙へ旅立とうと試みるが…。 この映画は、1998年第70回アカデミー賞にて美術賞にノミネートされ、1998年第55回ゴールデングローブ賞にて最優秀作曲賞にノミネートされた作品である。
遺伝子操作によって生まれた優秀な「適正者」と、通常の妊娠で生まれた「不適正者」が存在する未来の話。遺伝子診断による将来の寿命と死因の特定は、現代科学の賜物であると同時に、限界を決めてしまうことでもあります。不適正者として自分の運命を知りながらも、あらゆる手を使って自分の夢を達成していく姿は大変面白く、また感動しました。科学は決して万能ではない。可能性を信じることの大切さを学びました。そのあらゆる手というのが、適正者でありながら障害をもったジェロームの身体をのっとるということ。不適正者のヴィンセントはジェロームの血液や尿等、様々なサンプルを用いて検査を通過し、夢に向かっていきます。ジェロームとヴィンセントは最初は契約者としての関係でしたが、途中からはもう適正者としてやっていけないジェロームにとって、ヴィンセントの夢が達成することが自分の夢となっていきます。最後は非常に悲しいのですが、ヴィ...この感想を読む
遺伝子操作で優秀な人間を選んで産むことができるようになった世界。主人公ヴィンセントの両親は、神様の授かりものとして、遺伝子操作なしでヴィンセントを産んだ。案の定、ヴィンセントの体は欠陥だらけ。弟は遺伝子操作で優秀な子を産むようにした。遺伝子操作されていない人間は、エリートにはなれない。ヴィンセントの夢は宇宙飛行士だが、遺伝子的になれないとわかっている。そこで、ヴィンセントは、自殺未遂で歩けなくなった、遺伝子操作された、元エリート水泳選手の手を借りて、彼になりかわり、宇宙飛行士になる。途中、ばれそうになったり、くじけそうになったりするが、ユージーンの励ましなどで乗り切る。ラストシーンがすばらしい。ヴィンセントが何人かの夢になり、みんなで叶える、というとすごく陳腐だけど、そんな感じ。
不適格者とされながらも、宇宙飛行士になる夢を諦めなかったヴィンセントと、適格者ながらも下半身不随となり、ヴィンセントに自分の遺伝子と夢を託したユージーン。どちらもそれぞれの葛藤や苦悩を抱えながら、遺伝子が全てを決めてしまう近未来の世界で生きていました。適格者だけが足を踏み入れられる場所で、不適格者の遺伝子を発見されないために、抜け毛や皮膚に至るまで焼却炉で処分、全く気が抜けない。それでも夢が諦められないヴィンセントに、自分の遺伝子のサンプルを大量に残し、焼却炉で死んでしまったユージーンの気持ちは本人にしか理解できないのでしょうね。ユージーン役のジュード・ロウが最後までカッコよかったです。
ヴィンセント・アントン・フリーマン
遺伝子で優劣を決められてしまう未来。主人公ヴィンセントは身分を偽って宇宙飛行士を目指していた。物語終盤 実の弟である。刑事のアントンに己の行為を咎められえて言った言葉です。
ヴィンセント・アントン・フリーマン
いつも弟に水泳勝負でかてなかったヴィンセントしかし、物語終盤持ちかけられた水泳勝負で勝利しそして溺れた弟を岸まで運ぶのでした。その時に弟に向けて言った言葉です。人が自信をもつためには、がむしゃらに進む必要も時にはあるのだということをしめしています。
ジェローム・ユージーン・モロー
宇宙飛行士をめざすため、ひたむきに努力するヴィンセントにユージーンが言った言葉です。遺伝子では「適正者」として栄光の人生を約束されていたユージーンですが人生に絶望していました。そんな彼にヴィンセントの「非適正者」であるにもかかわらず夢にむかってひたむきに努力する姿を見て、彼の夢をてつだいたくなったユージーンの心境が出ています