トゥルーマン・ショーの感想一覧
映画「トゥルーマン・ショー」についての感想が4件掲載中です。実際に映画を観たレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
世界が家族
全世界の子供まず彼は世界中の視聴者からどんな目でみられてきたのか。それは自分の子供であることと同じ目線であるということ。トゥルーマンはまだ胎児のときから世界に中継されてきました。そんなときから見ている視聴者にとって彼は子供のようなもの。最後彼がスタジオから逃げ出そうとしたとき、止めるものはおらずむしろ逃げ出せたことに歓喜しました。トゥルーマンにとっては迷惑な話ですが、皆彼の味方であり傷つけることは望んでいないんですよね。そしてそれは製作者側も一緒で……そう考えると全世界が彼の家族であるのだなって思いました。もちろん道徳的にどうなんだって設定ではありますが、誰もが彼の幸せを願っていたからこそトゥルーマンは世界が自分を中心にして物事が進んでいるようだと感じたのではないでしょうか。人間不信この映画をみて思ったのはまるでシムズというゲームをやっているような気分になったこと。でもこれはゲームじゃ...この感想を読む
ドラマから現実へ!
平凡な日常生活自分の普段の日常生活が全国220ヶ所で放送されており会社の同僚や友達、奥さんまでもがエキストラ(俳優)で生活していることや赤ちゃんの頃から大人になるまで作られた世界で生きていくのが可哀想に思いました。視聴者としてはすごく興味深い内容で面白いと思いますし、番組制作者も斬新な考えで造られた番組だったので映画的には満足できます。トゥルーマンは幼少期に水の事故で海が怖くなり、海に囲まれている街を恐怖から抜け出せないという内容もすごいと思いました。スタジオのセットでトゥルーマンに水の怖さ、父の死といったトラウマを植え付けるなどセットのクオリティにも驚きました。トゥルーマンが海の外の世界やエキストラに少しずつ気付けていくのが観ていてホッとしました。恋愛トゥルーマンは現在の奥さん(メリル)とは学生のとき知合いましたが、その前にシルビアという女性に興味を持っていました。トゥルーマンはよくシル...この感想を読む
信じていたものが崩れる
保険会社のセールスをしているトゥルーマンという男。離島で育った彼は外の世界に関心がある。家族や、恋人、友人、街。すべては、彼をだますためにつくられた世界なのだ。彼の生活は24時間、全世界にテレビ中継されていたのだ。それが、トゥルーマンショー。孤児を引き受け、人生そのものをエンターテインメントにしたのだった。発想がすばらしい。どんでん返しというわけでもないけど、本当に驚かされる。笑えるシーンも多い。しかし、胸がきゅっとしめつけられる。最後、セットから出られるドアの前で話をするシーンがたまらなく好きだ。外の世界か、そのままかを選ばされる。
自分の人生のほとんどが偽物だった。
周りを海で囲まれた小さな島で、平凡だけど幸せな生活を送っていました。海で父をなくした事もあり、彼は水恐怖症になっていて、島の外には一歩も出たことがなかった。でも初恋相手に会うためにいつかはフィジー島に行くという小さな夢を抱えながら過ごしていた。だがこの平凡だけど幸せな生活にふと疑問を抱く。いつもと違うことをやってみると周りの住人の様子がちょっと慌ただしくなることに気づいてしまう。それもそのはず。この島自体がロケのセットで、主人公にとってはこの中の生活が人生の全てなのだが、周りにいた住人たちにとっては、ドラマ?映画?のようなもの。全世界の人々に日常に生活を監視されているに等しい状態。その時の彼の心境は計り知れない。無なのか。色々と考えさせられます。