今でも斬新さが感じられる切れ味のある名品
今見ても斬新な印象を残す作品
銀行家の大富豪の娘。父の反対を押し切って飛行家の男と結婚しようとしている。父と口論の末、家出。父が雇った探偵など追っ手を避けながら、バスでニューヨークへ向かおうとする。そこで出会ったのが新聞記者のクラーク・ゲーブル。ゲーブルは娘の素性を知り、特ダネにしようとするが、二人はバス旅行中の度重なるトラブルを経験し、急速に恋に落ちていくという展開で物語は進んでいきます。
名作ですね。どこか斬新さんを印象づけます。始まりはやや冗長的な気がしますが、中盤から後半にかけて、二人の恋の行方がリーダビリティーとなって全く目が離せなくなりすが、これもスピーディーな編集と細かいカット割り(場面変え)ゆえんという気がします。
話はもつれるがハッピーエンドに。
中盤、互いに愛し合っているのに誤解をして、話がズレていくといういわば、ストーリー的には起承転結の「転」の部分(ゲーブルが愛を告白され、この女と結婚するにはお金が必要と、黙って、部屋を出て行く部分。二人の物語を出版しお金にするために。)において、「え」どうなるのだろう多少はらはらしますが、最後にはハッピーエンドに終わって、胸をなでおろします。勝手に判断して、相手のことを怒ったり、憤ったりしながらも、引きつけ合えばこそのハッピーエンドです。
圧倒的なクラーク/ゲーブルの存在
クラーク・ゲーブルの存在感は圧倒的です。絵になる。様になっている。彼がヒッチハイクの仕方を娘に教えるシーン、バスの中で音楽隊の唄に合わせて乗客がうたうシーン(この、シーンで、私たちは、二人が惹かれあい、心を分かち合い始めていることを感じます)、そして何と言っても、娘の父の書斎でのクラーク・ゲーブルと父とのやりとり(彼は賞金を請求しにきたのではなく、必要経費を請求しに来ただけだったというオチは笑ってしまいます。ゲーブルならやけになって賞金を請求しそうなイメージだからこそ、このシーンは生きています)、父親が娘を愛しているかとゲーブルに何度も詰め寄るやりとり、そして最後に二人が結ばれるシーン(二人は出てこない。旅行中、二人を隔てていた毛布の壁が床に落ちるというだけ)など、伏線を生かした素晴らしいシーンが多々ありました。ちょっとしたワルと世間知らずな娘という組み合わせで、後の恋愛映画に大きな影響を与えているように思います。難点は、人がこの娘を見れば、一目で上流階級の娘だとわかるらしいのですが、今の人が見ると、そうかなあ、と思います。そういう意味では、娘役は、ちょっとミスキャストかもしれません。大してきれいでもないし、いやな女にさえ見えてきます。
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