フル・モンティのあらすじ・作品解説
フル・モンティは、1997年に公開されたイギリス映画で、ストリッパーを目指す失業中の男6人の奮闘を描くハートフル・コメディである。同時に、失業問題、親子や夫婦関係、人種問題、同性愛といったテーマを織り込んだヒューマン・ドラマでもある。 かつて鉄鋼で栄えたシェフィールドの町で、鉄工所を解雇されたガスと仲間たちは職安通いをしている。離婚したガスは、息子の共同親権を確保するため、何としてでも養育費を稼がなければならない。そんな折、親友デイヴとたまたま紛れ込んだ男性ストリップショーを見て、自分たちにも大金が稼げるのではないかと思い、仲間集めを始める。失業中であることを妻に隠している元上司も引き入れ、オーディションを行うなどして6人のメンバーを結成。使われていない工場でストリップの練習を繰り返すのだが、警備員に見つかったり、怖気づく者が出たり、それにキメのポーズもいま一つ。無事ステージを成功させられるのか・・・。 97年英国アカデミー賞で4部門受賞。アカデミー賞などでも受賞し、ミュージカルにもなった。
フル・モンティの評価
フル・モンティの感想
イギリスらしいいい作品
イギリスシェフィールドといえば、かつてはイギリスを代表する一大工業地域で、その生産するステンレス製品や銀器はブランド化されているほどですが、今は失業者を大量に抱える町でもあります。そんな中で、未来に希望を失った労働者が起死回生を狙う様子を綴ったこの物語は、軽妙で洒脱・面白い作品に仕上がっていると思います。英国映画のいいところは、上流階級の知的で華やかなところを舞台にしても・一般庶民の生活を舞台にしてもユーモアと知的センスに溢れる作品に仕上げるところではないかと思います。この作品にも、男前スターも派手なアクションもありませんが、何回みても味わい深いいい雰囲気があり、それぞれの登場人物に感情移入して楽しむことができます。
全部脱いじゃえばなんてことない
失業した6人の男が、それぞれ事情がありながらも「金になるなら何でもする!」と腹をくくって、失われた生活を取り戻したい一心でストリップの練習を始める。しかし脱落者が出たり、会場代が払えなくて元妻にお金の無心をしに行ってあっけなく断られたり、工場跡地で練習してたら警察に連行されて万事休すと思ったら、このことが新聞に取りざたされて、逆にチケットがバカ売れしてしまったり、そのことがあってからメンバーに火が着いて練習にも実が入る。そして、ついに本番の日。日ごろの練習の成果を遺憾なく発揮できるか・・・・・・!?この作品が映像化されるや否や世界中で「フル・モンティ」ブームが起こり、ブロードウェイでも舞台化されました。さすがにその際は全裸はなかったそうですが、それでも世の女性たちがこの作品を絶賛したと思います。この作品のおすすめシーンは、銀行で順番待ちしていたメンバーたちが、みんなこっそり同じ動きをする...この感想を読む
英国コメディの傑作!!
ロバート・カーライルといえば「フル・モンティ」と言っても過言ではないどころか、英国コメディの最高傑作と言ってもいいかもと思えるくらいの作品です。色々悩みを抱えたオッサンたちが、体で稼ぐ!とストリップを始める話です。そんなオッサンたちの奮闘を、ただ面白おかしく描くだけではなく、英国社会が抱える問題も挟みながら、絶妙なセンスで笑いを取っている、非常に良くできた映画です。イギリスはそういう映画作るの巧いからなぁ、ただ面白いだけとか、ただ悲しいだけとかいう映画はあんまり作らない。そしてこのメンバーの中で、いつの間にかゲイのカップルができるのも、何かとても英国らしいな~と思いました。
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