シェーンのあらすじ・作品解説
1953年に公開されたアメリカ映画で、西部劇の名作中の名作。監督は「ジャイアンツ」「陽のあたる場所」のジョージ・スティーヴンス。同年アカデミー賞5部門にノミネートされ撮影賞を獲得。ジャック・シェーファーの同名小説をA・B・ガスリー・Jrが脚色した。 開拓時代、初夏のワイオミングの高原にやってきた旅人シェーンは、開拓移民ジョー・スターレットの家に厄介になることに。一家には妻のマリアンと一人息子ジョーイがおり、村が悪徳業者ライカーに脅かされていると知る。ある日、酒場でシェーンと乱闘騒ぎを起こしたライカーは人殺しウィルスンを呼び、事態はさらに悪化する…。 「シェーン!カムバーック!」とジョーイが叫ぶラストシーンは映画史に残る名シーンである。シェーンのアラン・ラッドは本作が代表作。ジョーを「大空港」のヴァン・ヘフリン、悪役ウィルスンを「シティ・スリッカーズ」「突然の恐怖」のジャック・パランス、マリアンを「歴史は夜作られる」のジョン・アーサー、少年ジョーイをブランドン・デ・ワイルドが演じている。
シェーンの評価
シェーンの感想
自然主義的な徹底したリアリズムで、詩情豊かに謳い上げた西部劇史上に残る名作 「シェーン」
雪に覆われたワイオミングの山を、馬にまたがったひとりの流れ者が行く。ツバの狭いテンガロン・ハットをかぶり、フサのついた皮の服を着て、手アカのついたガン・ベルトを腰に巻き、ホルスターの中には必殺の拳銃が輝いている。どこから来て、どこへ行くのか。その男の名は、シェーン------。見事な俯瞰撮影で幕を開けるこの映画は、巨匠ジョージ・スティーヴンス監督がジャック・シェーファーの原作を得て、ヴィクター・ヤング作曲の「遥かなる山の呼び声」のメロディーの中に善と悪との対決を牧歌調のタッチで綴り、自然主義的なリアリズムで詩情豊かに謳い上げた叙情西部劇の名作だと思います。ここには、詩情と西部開拓精神と正義心とが、のどかなムードの中に見事に捉えられているのです。悪への怒りと、人間への限りない愛と、そして大地への愛着、それらを、流れ者シェーンと純朴な農夫一家の心あたたまる交情を通して、情感豊かに描き出したところ...この感想を読む
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