この世でいちばん寂しい事は愛されない事です
アブラ
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エデンの東は1955年に公開されたアメリカの青春映画で、24歳の若さで亡くなったジェームズ・ディーンの初主演作としても知られている有名な作品である。 原作はジョン・スタインベックが1952年に発表した同名長編小説。 監督は「波止場」のエリア・カザン、製作会社及び配給元はワーナー・ブラザーズ。 原作の後半部分のみをポール・オズボーンが脚本を執筆している。 共演者には舞台女優のジュリー・ハリス(「たたり」「動く標的」)、レイモンド・マッセイ、ジョー・ヴァン・フリート、リチャード・ダヴァロスらがいる。 この作品は第一次大戦前後のカリフォルニアの小さな都市・サリナスで、"父親から愛されていないのではないか?"と感じていたキャル(ケイレブ)という青年が必ず比較されてしまう双子の兄との距離・死んだときかされていた母の存在など様々な葛藤を乗り越えていこうとする内容となっている。
キャルは私の分身今から40年ほど前になってしまいますが、当時ジェームス・ディーンは「理由なき反抗」のイメージでツッパリ中学生のアイドルでした。真面目な中学生だった私は、そんなイメージからジェームス・ディーンに興味がありませんでした。ジェームス・ディーンと初めて出会ったのは、当時佳作座で上演されていた「エデンの東」を観たときでした。高校生のとき友人と2人で行ったのですが、余りの感動に上演後も席を立つことができず、友人には先に帰ってもらい、もう一度次の上演回も観ました。当時の佳作座は上演回ごとの入れ替え制ではなく、そんなことができました。それほどに、感動したのは、「私の気持ちを知っている人がいた!」との思いです。ジェームス・ディーン演じるキャルは、厳格な父が自分を受け入れてくれないことに、孤独感・寂しさといらだちを感じていました。それは、厳格な両親と甘え上手な妹という家族の中で、居場所がないと...この感想を読む
アメリカ、カルフォルニア州サリナス。農場を営む父アダムと息子キャルの心の葛藤を描いた物語。1955年のアメリカ映画キャル役のジェームスディーンのあの目はなんだろうか…。「父親に愛されていないのでは」と悩むキャルの心を語っている。とても繊細で悲しみに満ちている目をしているのだ。キャルは父親のことを想っている。しかし不器用さゆえ、逆に父親の怒りを買ってばかり。愛情を受け取れず、愛情を知らないキャル。その姿に胸が引き裂かれる思いがする。最後のシーン、アダムは脳卒中で倒れてしまうのだが、そこでのアダム、キャル、エイブラ(キャルの兄の恋人)3人のセリフは心に残る。エイブラがアダムとキャルの関係をこのままで終わらせてはいけない、ととった行動も勇気がいるものであり、素晴らしい。人と人との関係は別れた後でも、一方の人、もう一方の人どちらにとっても重要なのだと、教えてくれる。しかしながら一番の見どころは、...この感想を読む
時代劇のような、なんとなくセピア色に感じる映像の中で、ジェームスディーンのかっこよさが非常に際立っていました。兄弟の確執や親子の確執、戦争による悲しみや苦しみをストーリーに組み込んでいるのに、胸がつかえるような重さはなく、青春を感じる映画だったように思います。失うものがあっても、得るものはある、その取捨選択の中で人は喜怒哀楽を感じ、喜びを得たいともがいている、そんな人間臭さも感じられました。1900年前半の時代をテーマにしているのにもかかわらず、古臭さは全くありません。現在の人間関係に疲れた時などにも見ていただきたいと思います。きっと深く感動します。
よみがな:あぶら
アブラ
ラストシーンでのあまりに有名な名台詞です
ケイレブ・トラスク
死んだと聞かされていた母親は本当は生きていた。母親のことを父親に尋ねるキャルは「おれは自分が何者か知りたいんだ」と、もっと聞き出そうとする。
ケイレブ・トラスク
瀕死の状態のキャルの父親に、キャルが話しかける