死者420万人は妥当か
見た者を殺す梟
この作品に出てくる梟『ミネルヴァ』は、見た者を殺すという能力がある。シンプルながらとても強力な能力である。
作中では東京に現れ猛威をふるい、街に市をばら撒いていったが、実際にミネルヴァが東京に現れたらどうなるのだろうか。ちなみにWikipediaの考察によれば、作品中の年代は2003年前後だと推定されている。
計算してみよう
作品の序盤によればミネルヴァによる死者は420万人になるという。ミネルヴァが殺す対象は『直接見た者』『モニター越しに見た者』である。作中にも書かれているとおり、後者の方が被害が大きいのでまずはそちらから計算しよう。
夜に大災害があった後に明るくなってすぐに報道したいだろうから、放送はおそらく朝。当時の朝6時の番組での民放平均視聴率は約8 %。そこから計算される番組を視聴した人は約320万人。(計算サイト http://keisan.casio.jp/exec/user/1388911981 を使用)緊急放送だからもっと見ていたかもしれないが、とりあえずこの数字でいこう。
すると、ミネルヴァが実際に見て殺した人数はおよそ100万人。当時の東京の人口が約1200万人。渋谷区が200万人。(パルコから推測)ミネルヴァが最初に猛威を振るったのは夜であり、通りに出た人も多かったであろうが、室内にいた人はもっと多かったであろう。ガラス張りだとアウトだが、壁があったらセーフである。そう考えると、100万人という被害は大きすぎる。やはり、区をまたいで被害が出ているのだろう。ミネルヴァが飛んでいるときに遠くのほうで煙があがっていることからも分かる。
一般的なフクロウの飛行速度は、餌を補足しているときで72 km(巡回は33 km)らしい。おそらくだが、ミネルヴァはもっと早いだろう。スピードを出した車が信号無視で動きまわるようなものであり、1晩でぐるりと回れば、外に出ている人も100万人に達するだろう。案外妥当?
計算結果について
正直に言って、最初に被害人数420万人というのは少なすぎではないか、適当に考えたのではないかと思っていたが、意外と理にかなってそうな気がしてきた。さすが藤田和日郎先生である。
ちなみに作品自体の評価だが、恐ろしくも悲しいミネルヴァのストーリー、こちらが飲み込まれそうな画力、そして可愛いヒロインと渋いおっさんたちと、藤田和日郎らしい傑作である。
*注意*この計算結果は本当に適当な物です。鵜呑みにしないでください。
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