世界が広がった。 - 坂道のアポロンの感想

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坂道のアポロン

4.404.40
映像
4.50
ストーリー
4.20
キャラクター
4.10
声優
4.20
音楽
4.60
感想数
5
観た人
5

世界が広がった。

4.54.5
映像
4.5
ストーリー
4.5
キャラクター
4.0
声優
4.0
音楽
4.0

目次

音楽好きにはたまらない世界感

関東から九州に父親の仕事の都合で転校という、学園ものをイメージする形でスタート。どこに音楽要素が?思いつつも、進んでいくとあっというまにジャズの世界にようこそ。ジャズに興味ない人でも、分りやすい表現がありつつも深い意味があったりといろんな角度で楽しめる。なんといっても、キャラクター個々にある個性をうまく音に引き出せているのが、魅力!ジャズ初心者の私だけど、有名などころや聞いている曲が登場するので、ああ!この曲こういうタイトルなんだ!という知識も増えて楽しい気分にもさせてくれる。音楽好きなら、一緒に楽しんでしまうのではと思う。というか、楽しい。主人公が好意のあるヒロインへ送る曲「いつか王子様が」は、とてもよかった。とても不器用で、優しい彼の気持ちの表現とヒロインの切ない気持ちが一気に表現されてて、あったかい気持ちになった。2話でこれがくるものだから、そのあとどうなるのか楽しみが増えた。

人間関係の背景には・・・

ジャズに出会い、つながって人と出会い…そうなっていくと気になるのが人間関係。もう思惑どおりに人間関係も進んでいくのだが、途中からこんがらがってわけわからなくなる。なんで、そっち?!という展開があったり。恋模様を中心にストーリーは進んでいくのだが、なんといっても主人公の薫(ボン)と千太郎(セン)の友情には泣かせるものがある。そして、センの過去の話には衝撃と一緒に時代背景をただよせた。アメリカと日本のハーフのセンなのだが、周りの人もそれをふれたりしない。初め、そういうキャラクターデザインだと思ってたので、不思議に感じもせずにここまで見てたから、驚きだった。今の時代、ハーフタレントがブレイクしてたりするので珍しいものでも極端に偏見を食らうことは少ない。しかし、当時の日本ではあまり良くは思われなかったというのが感じとれる。いろんな意味合いでセンの過去のシーンは、胸がぎゅっとなった。ストーリの初めにでてくるロザリオの意味合いがここで深くつながってくる。それを知った、ボンの心境も意味深いものでもあった。中心の3人のほかにも登場人物の深いところも、話の中におりこまれている。全員がそうじゃなかったけど、みんながみんなしてヘビーだった。今の時代では、考えられないことだったりするので、時代感を感じこれもまた楽しめる。

恋模様

学園ものをイメージする形でスタートだったので期待。やはり、待ってました!という展開。上記でも言ったが、予想を外しまくる。私が疎いというのもあるだろうから、ほかの方からしたら予想通りという方もいるでしょう。まず、ボン→律子(ヒロイン、りっちゃん)→センという三角関係から始まり、センに好きな人ができてダブルデートをのちにするのだが、なんともりっちゃんの心境が痛いほど伝わってきてキツイよねと共感する半面、気づけよ、男子!という乙女心なんてわかりもしない高校生の主人公たちに叫んでた。結局、ボンがなんとなく気づいて話は進んでいったのだけど、ボンはすごく不器用で真面目なのでどうしても堅く考えがちで、女としてはイライラすることも多々…でも、りっちゃんはきっと素直でかわいいからボンが好きになるのは、時間の問題だったのかも。恋模様で登場するのは、ボンやりっちゃん、センだけはない。センの好きな人でもあった百合香が、りっちゃんの隣人でボンとセンのジャズ仲間である淳一(大学生)を好きになっていく。高校生の恋愛とはまた一味違って、少し背伸びした恋模様となる。最初は、百合香の片思いだったけど、徐々に百合香のストレートなアタックとひたむきに思う百合香の姿に惹かれていく。最後には、淳一にくっついて駆け落ちし、東京に行ってしまう。ドラマでなんか見たことあるよこの展開とわくわくしながら、見てた。よかったね、半分好きとすら伝えてなかったセンが切なかった。ボンの心配をよそに男らしくだまって、百合香が描いた絵を前に心の中でお別れをいったシーンは、ぐっとくるものがあった。さて、ボンとりっちゃんとはいうとりっちゃんの心境がかわり、ボンに傾きそれに気づかないボン。そこで急展開!この作品の中でも印象深いシーンの一つでもある、ボンがりっちゃに告白するシーン。なんと家の前で堂々と叫ぶという(笑)大胆なかつこっちもなんだか恥ずかしいくらい、まっすぐ。そんな人と恋愛してみたいものだ(切実)

世界を広げる色たち

一言で終わらせてしまえば、完全に私好みの話になってしまうが聞いてくれ。原作者の絵タッチも繊細ですごくきれいで、好きだけどそれと合わさって流れていく映像の色使いには、想像を広げる要素がある。一つ一つの色もそうだけど、シリアスな雰囲気のところは、暗くシンプルになどシーン一つ一つにこだわりなどの製作者たちの愛情も感じ取れるものになっている。海に遊びに行くシーンは、夏を感じさせる色彩・明度を使い、暑そうなカラッとした夏のイメージそのままで面白かった。学生運動のシーンでは、どんなに激しかったかわかるようにほこりっぽく描かれている。あくまで私の推測で感想だから、本当にそう感じるかは不明だけど、少なからず私はそういうシーンも楽しめて面白かったの一言だった。

まとめ

みんな大人になって最終回を迎えるのだけど、終わり方にしてみても、視聴者にその後の想像を楽しませてくれる感じになっていて、またこれも楽しい。また、あまりアニメ単体でDVDまで購入しようと思うことはないのだが、この作品に関しては購入しようかと思っているほど何度みても飽きがこない。音楽全般が好きだというものも、登場人物も好きだというのも合わせて好きなんだなの一言。最後に、ジャズに少し興味も持って今まで聞かなかった音楽のジャンルも聞くようになり自分自身、世界が広がった。このアニメに出会えてよかった。

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