ハートフルで笑いあり涙ありの家族愛
かなりハートフルな作品。主人公拓也の母は他界し父と弟の三人暮らし。忙しい父に代わって母親役をする拓也とわがままで泣き虫な小さな弟の実。拓也は日々母の役目を果たさなければと奮闘するがそう簡単にうまくは行かず、実を疎ましく思う日もある。何故自分ばかり我慢しなければいけないのかと落ち込む場面も沢山あります。それでもやはり家族は家族。毎日過ごすうちに弟の実への愛を感じ始めます。今まで出来なかったことが出来るようになったり、近所の小さな子ども相手にお兄さんになろうとする実の成長はとても素敵な場面です。そして実だけではなく拓也の成長も見逃せません。家族三人が力を合わせて一生懸命生きていく姿に感動します。こういった家族の形は現代社会でも多いはずです。漫画であるのにリアルとリンクすることが多々あり読者の涙を誘います。人間関係も作品の内容に取り上げられていて読んでいた子ども時代からこの作品に考えさせられました。最終巻は実が交通事故に遇うというかなりはらはらドキドキさせられる内容ですが、最後の最後まで生きていくという楽しさや辛さ、家族への愛情、家族だけではなく他人の優しさまでもが詰まった本当に素晴らしい作品だと思います。ただかなり悲しい場面も多いので二回三回と読み直すのが辛いです。
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