自殺島のあらすじ・作品解説
自殺島は、ヤングアニマルにて2008年から連載されている、森恒二原作の漫画で、単行本が出版されている人気作品である。 この作品は、無人島を舞台に、そこに流されてきた自殺志願者たちの極限状態での、サバイバル生活を描いたもの。この島の住人のほぼ全てが、一度は自殺を試みた人間であることから、生きるということに対して非常に後ろ向きな人物の方が多いのだが、そんな中でも幾人かは生きるという行為に対して前向きに取り組み始めていく。そんな、生活の中頭角を現していったのが、集団を率いるリーダー格である、リョウと、この物語の主人公であり、やがて狩人として活躍を始めるセイの二人、彼らはこの島で暮らしていくうちに、死ぬためにではなく生きるために活動を始めていく。そうした決意の大きな象徴が、セイが狩猟のパートナーとして飼っている犬に、「イキル」という名をつけたことだろう。ここに彼らの、生に対する思いが集約されていると言える。
自殺島の評価
自殺島の感想
読み終わった後の爽快感!
なぜ自殺未遂した人間が島での生活を始められたか自殺を図り失敗をした主人公・セイは、気づくと謎の島にいた。そこでは同じように自殺未遂を繰り返し、生きることをあきらめた若者が集められていた。この島で何が何だかわからない中、一部のメンバーは水や食料を探し歩き始める。なぜ死のうとした人間たちが、そのまま島で自殺を選ばなかったのか。中にはやはり飛び降りたり首を吊ったりする人間もいたが、主要メンバーたちは島での生活の中で笑い合い、互いを認め合いながら生活をしていく。今までの生活では自分以外のすべての人間が自分とは違うというコンプレックスを抱えていた主人公たちは、自分が国や世界、生きることに受け入れられていないと感じていたことで自殺の道を選んだ。しかし島での生活では、「自殺未遂」という共通点が仲間を生み、共感を得られたことで生きることにつながった。私たちは普段生きていることを自覚することはない。生き...この感想を読む
生きるとは何かを問う
私の本棚にこの作品が並んでいるのを見た友人からはよく「大丈夫?」と首を傾げられたり「相談に乗るよ」などと心配されたりする。確かにこの作品は自殺行為に失敗し生き残った者が自殺島と呼ばれる島に送り込まれるという一見ダークな作品だ。しかし島での生活を通し人が「生きる」という最も根本的なテーマを取り上げた非常に前向きな作品である。各キャラクターの過去から自殺に至る経緯まで細かく描写されており色々な例が出てくる為共感できる場面も多くの人に出てくると思うしそれを乗り越えていく者乗り越えていけずに自殺をしてしまう者など生々しく描かれている。殺人シーンや性的な描写も多々あるので苦手な方は控えたほうがいいかもしれません…。サバイバル生活のことも深く掘り下げてありナンプラーを作ったり塩水から塩を作る方法だったり水分補給が出来る植物など実際にサバイバル生活を体験した筆者にしか描けないものが多くこういった漫画...この感想を読む
セイ
いろんな意味で人間って怖くて凶暴な人間ですよね。その中で、セイの考え方とかどうなんでしょうか?色々変わりつつある彼の生き方、考え方。行動言動すべてが見所なのかもしれませんね。どうする?5巻で、内と外の不穏な空気そして不穏な動きが描かれていてハラハラしていましたが、この6巻でやっぱりそれらが爆発してしまいます。だけどここでまたセイの成長を感じることができます。相手を攻撃してでも生きようという意志を、強く示すんです。最初は威嚇しただけだったけど、葛藤しながらも最終的に本当に弓矢をいるんです。今回もすごく見ごたえのある一冊でした。おすすめです。