夢とは何かを真剣に考えさせられるのがウィングマン!!
昔の男の子なら誰もがヒーローになりたいと真剣に考えたものです。またそれを馬鹿にする友達もいませんでした。今と比べると夢と情熱を持って生きていた時代ともいえます。広野健太という主人公はあの時代の男の子達の代表であり、小学生の心をもった中学生です。私はアニメ放送から知り、ちょうどこの広野健太と同年代でしたので簡単に感情移入できました。
奇しくも高校入試が終わった私はいつか出会うドリームノートに描くための絵を練習し、来たる侵略者に備えて体力づくりをしていました。でも実際にドリームノートを手に入れても、作品中のキータクラーのように使う事は出来なかったでしょう。
私のその行動は現実にかなえたい夢ではなくヒーローへの憧れであり、広野のそれとは全く違います。
当時の単行本の中で作者の桂正和が大枚をはたいて作ったウィングマンのスーツを着た姿の写真を私はいい大人が何を馬鹿な事をしていると思いながら見ていましたが、そこには確かにリアルな広野の姿がありました。
日本語で夢と言うと少し恥ずかしい気もします。だから夢を語ろうとしません。好きな事をし続けるのは並大抵の事ではないのです。それを桂正和は作品と自分の行動で私達に見せてくれました。
夢を叶えるドリームノート。本当は誰もが心の中に持っているもので、そこに本当の夢を描かないから、それがドリームノートだと気付かないでいる私達に、ファンタジーの世界でちょっとエッチに描写する事で作品を重すぎないようにしながら語りかけてくれています。
夢落ちにも見えるラストシーンは、読者達に自分の本当の気持ちと向き合うことの大切さを強く迫っています。
青春時代にこの作品と出会ったおかげで、私の青春はまだ終わっていません。
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