継承する車田イズム
岡田芽武による『聖闘士星矢』前日譚『聖闘士星矢』は歴史のある作品だ。『星矢』に夢中だった少年時代・少女時代をして、“(星矢)世代”と呼ぶ人がいるほどで、その人気の強さがうかがえる。それがゆえに、派生作品を見る目は非常に厳しい。『エピソードG(以下、エピG)』は外伝的作品第一号として、岡田芽武によって生み出された。ところが『エピG』は、独特の作画と設定の突飛さとで、ファンからいまだに賛否両論を受けている作品である。ファンの指摘する設定の突飛さとは、特に主人公であるアイオリアに意見が集中している。アイオリアの髪が赤かったり、気性や言葉遣いが荒かったり、一人称がボクだったりオレだったり変わるところにあるという(ちなみに車田『星矢』ではアイオリアは一人称が「オレ」であり、髪も金色である)。これらの理由は、のちのち本編で説明されたりするのだが(ボクとオレが変わるのは特段説明がないが、他人に猫を被...この感想を読む
3.53.5
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