みどりちゃんになれなかった主人公 - さよならみどりちゃんの感想

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さよならみどりちゃん

4.504.50
映像
4.45
脚本
4.50
キャスト
4.75
音楽
4.75
演出
4.50
感想数
2
観た人
2

みどりちゃんになれなかった主人公

5.05.0
映像
4.9
脚本
5.0
キャスト
5.0
音楽
5.0
演出
5.0

タクシーに乗ったユタカ達。

それを追いかけるゆうこ。

「この恋愛は恋愛ですらない。」

このシーンは、それを物語っていると思う。

はじめて、ゆうことユタカが交わった時、それは同時に失恋であり、都合のいい女になってしまうスタートでもあった。

私は作品を見ながら腹立たしくて仕方がなかった。もちろん、いい意味で。

追われる側は、追いかける側がどれだけ辛いか分からない。

だが立場が変わりそうになると、途端に自分の方が立場が強いことを主張しようとしてくる。

突然家に来て、ゆうこをおそう場面なんてそうではないだろうか。

私自身は恋愛を遊びだなんて思ったことは一度もないため、主人公の気持ちが首がちぎれそうになる位共感できる。

もっと好きになって欲しい。

自分だけを見てほしい。

何故こんなに切実な思いを無碍にすることが出来るのだろうか、この男は...。

ユタカという人間は典型的なクズだ。

だが、ゆうこも、そんなクズを簡単に手放すことも出来ない、ダメ女である。

共感する半面、ゆうこには苛立った。

ダメな奴だと解っていながら突き放せない。

「自分は他の女より少しは優位に立ってる」、と思いたいのだろう。

憧れの人と体を交えた女なんです、と本人も気付かない内にステータスとなっていたのではないだろうか。

でも、そんな自分にも薄々気づき始め、更にどんどんと高まるユタカへの独占欲、人間関係、自分の気持ちに振り回されることに疲れたゆうこが、気持ちを伝えた時、その関係は崩れてしまった...。

タイトルの意味を自分なりに解釈すると、みどりちゃんというのは「本命の人」という意味ではないのだろうか。

ユタカにとって、ゆうこが「みどりちゃん」になれなかった。

だから関係を終えると共に、さよならみどりちゃん、という気持ちがゆうこに出てきたのではないだろうか。

関係を終わらせたことで、観終わった時はとても気持ちがよかった。

本心から好きと言い合えない恋愛はするものではない、という教訓の作品だ。

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4.04.0
  • しましましましま
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  • 449文字

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