とっつぁんの漢心に胸を打たれ・・・
この作品はお馴染みのルパン三世がメインと言うよりは、どちらかと言えば銭形のとっつぁんの方が目立っている。
そこがこの作品の良いところだろう。
スクープを追う過去に訳ありなヒロインの一色まりや、新設される人工島のオーナーのマイケルスズキなど、本作にしか出てこないキャラクター達も実に魅力的である。
なぜならば、パッと出てくるシーンでもどこか訳有り気な雰囲気を充分に醸し出されているからだ。
もちろんルパン一味の活躍にも注目したいところだが、早打ちの達人である次元大介は虫歯の為、その持ち前のセンスを発揮できず、剣の達人である石川五右衛門も自身の愛刀・斬鉄剣を無くしてしまい活躍できずと、一味が踏んだり蹴ったりな状況が続くので、こちらの二人はギャグシーンの方が多い。でもくすりと笑える部分が多く盛り込まれているので、カッコ悪いというよりもお茶目な二人を見れるのはなかなか珍しいのではないだろうか。
そしてタイトルにも付けているが、銭形の活躍には心を打たれるものがたくさんある。自身が招いてしまった事態により、ルパン追跡の任を解かれたりするなどが続いてやけ酒に溺れるが、違反を承知で怪しげな人工島の潜入を試みたり、最終的にはピンチのヒロインをルパンと共に十手だけで戦闘するシーンなど熱いシーンが目白押し。
やられてばかりのいつものとっつぁんではなく、女と自分の正義の為に、ボロボロになりながらも決して諦めない心には胸を動かされるのだ。
この作品をおすすめしたいのは、ルパン一味の活躍じゃなく、とっつぁんの活躍を観てもらいたいが為にキーボードを打ち込んでいる。いつものルパンのノリでありつつ、どこか違った雰囲気の作風になっている今作を楽しみたい方はぜひオススメだ。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)