遙は正しく青春とその葛藤を生きている
Free!のシリーズ二作目、まず一作目と二作目の差異に触れておこうと思います。シリーズものにはどうしてもつきまとう初作が一番というイメージ、それについては拭いきれないものがあります。一作目はそれぞれ悩みはあれど明るさが目を引く、二作目は続きということもあってやはり継続した明るい印象も残しはしていても、進路や自分自身の在り方というまさに高校生が直面する悩みや葛藤の印象がどうしても強いです。
視聴者の好みによるとは言いつつも、どうしてもつきまとうこの感覚はやはり、テーマの差なのだろうと言わざるを得ません。何を描くか、何を魅せるか、据える主軸が変われば作品もある影響されるという当たり前でありつつも忘れてしまいがちなことはFree!に限ったことではありませんが、はっきりとそれが現れているのではないかと思います。
私としての印象深いところは、遙がいろんな感情を外へと出していくようになっていく所です。
大会の中で泳いでいるところを立ってしまいそれを凛に責め立てるように言われるシーンと、祭りの途中で真琴と二人初めてケンカをするシーン、そして凛に連れられていったオーストラリアで自分の夢を見つけるシーンは特に今までには無かった様子が多く感じられました。
凛に責め立てるように言われて声を荒らげるところは、自分にもわからないことを押しつけるように言われてもやもやとした気持ちを解消させることも出来ず当たってしまう、年齢よりは子供じみたところがあると思います。これは真琴とのケンカで声を荒らげる時も同様かと思うのですが、遙の成長は中学生時代に凛と勝負をして勝ってしまったその日から止まってしまっていたのではないでしょうか。その問題を一期で解決したことにより、止まっていたものが時間を取り戻すように一気に動き出してしまって感情の波に翻弄されているかのようだと思うのです。
いろんな人に忠告されても、子供のままでは受け止められない。だから最初は避けたり突っぱねたりときつめにあたって苦しさから逃げようとしている。それをオーストラリアに言って多くを経験し、凛とも冷静に話をして、そして得たものは遙を更に成長させてオーストラリアの水泳競技場で夢を見つけられた。いろんな人の忠告や言葉を受け入れられる余裕を手に入れることが出来たのだろうと思うのです。神童が人間になって行くのがFree!のシリーズなのかしらと強く感じました。
- あなたも感想を書いてみませんか?
- レビューンは、作品についての理解を深めることをコンセプトとしたレビューサイトです。
コンテンツをもっと楽しむための考察レビューを書けるレビュアーを大歓迎しています。 - 会員登録して感想を書く(無料)