第二次魔法界大戦へ。 - ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団の感想

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第二次魔法界大戦へ。

4.04.0
映像
5.0
脚本
4.0
キャスト
5.0
音楽
4.0
演出
5.0

目次

選ばれし者の心の闇

ハリーポッター5作目は、15歳になった主人公ハリーの心の闇と大人になっていく姿がよく描かれていたとおもう。

"自分が死ぬか、それとも目の前で友達が殺されるか。君たちにはわからない。"

4作目でリリーとジェームズの仇、ピーターペティグリューにセドリックを目の前で殺されたハリーの気持ちは、普通に生きてきた15歳の子たちにはわかるはずがない。たとえ魔法使いでもハリーの体験してきたことはわからないとおもう。

ヴォルデモート卿が復活した。

それをこの目で見た、と言ってもホラ吹き呼ばわり。

ハリーの心の闇はどんどん大きくなっていって。

トムリドルとハリーが似ているっていうのは、6巻以降で出てくる分霊箱のこともあるだろうけど、なんとなくやっぱり2人には共通点があるんじゃないかなぁっておもう。

両親がいないこととか、愛されて育てられていないこと。そして他の子よりもパワーがあって、優れていることとか。

トムはその心に秘めているものを全て本物の闇に変えてしまったけど、やっぱりハリーは土壇場で光の方を選んだんだもんね。ダンブルドアが言った"光と闇の選択"の話。

"お前は愛を知らない。友情も。かわいそうなやつだ。"

作品中ずっとふさぎこんでいたのに、やっぱりハリーはそういうとこでリリーの子供だとおもった。愛に溢れたリリーエヴァンスの子。

苦しい時に、辛い時に、武器を拾って戦おうとするのはきっとものすごい勇気のいること。わたしも見習わなきゃいけないかなぁ。

戦い抜いた男

ハリーの名付け親・後見人のシリウスブラック。

ハリーポッターで1番すきな登場人物。

いつだって真正面からぶつかって、信じた道を生き抜いた男。

ほんとに彼の生き様は感動させられるものがある。

"純血よ 永遠なれ"

高貴ある由緒正しきブラック家。宗教的な純血主義のブラック家で育てられたシリウスは、きっと生まれた時から反逆者だったとおもう。反発するおもいが膨らんんでそうやってシリウスブラックができたんだとおもう。

ブラック家って、自分の信じた道突っ走る人が多いとおもう。代表的なとこでいうと黒姉妹(ベラ、ナルシッサ、アンドロメダ)。信じたものは違くても、みんな突っ走ってそれぞれの道に生きた。

だからシリウスは大嫌いでも、信じたものが違うだけで、やっぱブラック家の人だなっておもうんだよね。でもシリウスの人生って幸せだったのかなぁ。

ホグワーツ在学中は幸せだったとおもうけど、ジェームズがいたし、"悪戯仕掛け人"って仲間がいたから。

第一次魔法界大戦(勝手に名付けた)で敗れたあと、全てが壊れてしまったあと、彼の時計はあの学生時代で止まってるとおもう。

不死鳥の騎士団の初期メンバー写真。

ジェームズの隣で誇らしげに笑っていたシリウス。

考えれば考えるほど苦しくなってくる。

大切なものの死、自分を責めて責めて、ハリーが目の前に現れた時、命に代えても守るって誓ったんだろうな。

親友のジェームズを守れなかったから。リリーも。ピーターの裏切りでさえも見抜けなかったことも。

きっとシリウスはぜんぶの悔しい思いをハリーを守るってことにぶつけたんだとおもう。

そして、それをやり遂げた。

やり遂げて、戦い抜いて、死んでいった。

アーチの中でなにを見たんだろう?

やっぱりジェームズと会えたのかな。

リリーとジェームズが、笑顔で彼を迎えて"ありがとう"って言ってくれたのかなぁ。

自分の命が危ないのに、死ぬかもしれないのに、突っ走っていった、向こう見ずでむちゃくちゃだけどそれがシリウスブラック。

名付け親との別れ

"愛するものは、決して離れ去りはしない"

この作品での1番はこれだとおもう。

ハリーがシリウスおじさんを失うこと。

でもやっぱりシリウスには生きてて欲しかったなぁ。

約束したようにハリーと一緒に暮らして欲しかったなぁ。

ベラの呪文が当たったとき、その一瞬、

時が止まったようで涙が止まらなかった。

ハリーを抑えるリーマスのこと見ていたらまた溢れてきて。リーマスだって親友を亡くしたの。

ハリーにとって、シリウスのと別れはどういう意味を持ったものだったんだろう。

主人公を成長させるもの?

吹っ切ったとき強くなるから?

わたしは吹っ切ったときに強くなるだなんておもわないよ。

だって悲しいじゃん。

誰かを失ったらただひたすら悲しいじゃん。

前に進むことがいいこと、だなんておもわない。

前に進まなくていいじゃん。

吹っ切らなくていいじゃん。

ずっと引きずっていればいいじゃん。引きずって引きずって、それがまた強さになるんじゃん。

シリウスがそうだった。

ジェームズのことを引きずって、引きずって、そのおもいがハリーを守るってことに変わった。

だからわたしは、ハリーのシリウスを失ったおもいが、ヴォルデモート卿を倒したいっておもいに変わることだっておもってる。

ハリーにはシリウスのことを引きずっていてほしい。

絶対に忘れないでいてほしい。

シリウスブラックっていう、向こう見ずでむちゃくちゃだけどまっすぐな名付け親がいたってこと。

そしてじぶんを守るために戦い抜いたってこと。

そして6巻に話は続いていくんだ。

ここからはまた違う、第二次魔法界大戦の始まり。

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