ますます過酷になる運命と強くなる絆
大人気『ハリー・ポッター』シリーズの第5作目です。ハリー・ロン・ハーマイオニーはますます大人になり、物語はますます暗く重い色を帯びていきます。子ども向けというより、大人向けと言っても過言ではありません。 この作品で、ハリーは、彼を守ってくれる存在だったはずの魔法省から攻撃されることになります。前作でヴォルデモートが復活しましたが、その事実を受け入れることのできない魔法大臣は、ハリーやダンブルドア校長の話をでっちあげとして、徹底的におとしめ0ようとします。そのためハリーは、学友たちから白い目をむけられたり、魔法省が送ってきた新しい先生に執拗に目をつけられたり、さらに、ダンブルドアからさえ無視されたり、厳しい環境にさらされます。 そんな中でも、ロンやハーマイオニーとの友情はますます強くなり、さらに、ヴォルデモートの存在を否定し、闇の魔術と戦う術を教えようとしない魔法省の方針に対抗するために立ち上がることから、ネビルやジニー、ルーナとの関係も深くなっていきます。まさしく、心を否定する悪に立ち向かえるのは『善なる愛』というダンブルドアの信念を実現していくようです。 そして、ハリーは淡い初恋も経験し、大人の階段を上ります。その陰では、ハーマイオニーとロンの関係にも微妙な変化が…… しかし、その中で、ハリーは名付け親であり、本当の親のように思っていたシリウスを喪います。どこまでも過酷な運命に襲われるハリーは、それでも強く生きていきます。 ただ、原作のボリュームを1本の映画におさめるのはけっこう無理があって、原作を知っている身としては、ダイジェストのような印象を持つことが否めません。映画しか知らない方は、ぜひ原作も読んでいただきたいと思います。
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