キャスト陣はいい味出しているのに中途半端な内容
水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、宮部みゆきというそうそうたる顔触れが原案を出したという期待感が大きかったせいか、ちょっと厳しめの判定になったかもしれません。しかし、どうにも中途半端感が漂う作品です。 神木隆之介くん、栗山千明さん、豊川悦司さん、菅原文太さんをはじめ、妖怪役の皆さんもキャスト陣はいい味を出していると思います。 ただ、ストーリー展開がどうにも中途半端で、何をメインにしたいのかわかりません。神木くん演じるひ弱な少年の成長物語あり、芸人さんを起用した妖怪たちのドタバタが繰り出すお笑い要素あり、人に粗末にされた物の怨念を利用する、虐げられた先住民である加藤の恨みという現代文明への風刺あり、機械的な化け物と戦うアクションあり……1つ1つはいいテーマなのに、どれも掘り下げが甘く、寄せ集めで終わっているのが残念です。さらに、シリアス展開かと思うと笑いが入り、笑いかと思うといきなり泣けるシーンに転じたりと、なんとなく間が悪い感じが否めません。 全体的に、キャスト陣やテーマといった個々のいい素材をまとめきれていない印象です。うまく作ればいい作品になりそうな気がするだけに、残念です。
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