海老蔵の圧倒的存在感
海老蔵の怪演が光る1962年に仲代達矢主演「切腹」として映画化された滝口康彦氏の「異聞浪人記」を、三池崇史監督、市川海老蔵主演でリメイク。脇を固める俳優陣にも力が入る。敵役に役所広司、病と貧困に苦しみ妻子のために狂言切腹を企図したが見破れ窮地に追い込まれる瑛太、妻役の満島ひかりの熱演も光るが、とにかく海老蔵の怪演が際立つ1作だ。酒の失敗が芸の肥やし天下隊への世、浪人たちは食い詰め貧困にあえいでいた。大名家を訪れては「切腹したいので軒先を貸してほしい」と押しかけ、厄介払いの迷惑料をせしめる狂言切腹が横行していた。井伊家の屋敷に津雲半四郎(海老蔵)と名乗る浪人が切腹したいと現れる。役所広司演じる家老は男に以前、病に苦しむ妻子のために狂言切腹を図った男の策略を見破り、見せしめとして本当に切腹させたと語る。それを聞いた半四郎は、今度は自らの境遇を淡々と語り始める…。酒の席での失敗で世間を騒がせた2010...この感想を読む
4.04.0
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