1000年前、時代の先を読む - とりかへばや物語の感想

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とりかへばや物語

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1000年前、時代の先を読む

4.04.0
文章力
3.5
ストーリー
3.5
キャラクター
4.0
設定
4.0
演出
3.5

今から1000年前の平安時代、当時としてはトンでもない物語が成立した。現代でもライトノベルやケータイ小説などをイロモノ扱いする一部の輩は存在するが、『とりかへばや物語』のインパクトは時代背景からしてその比ではない。 平安貴族の子どもたちがそれぞれ男装・女装して宮廷に潜り込み、さらにドロドロとした出世競争やら恋愛関係が加わるものだから、当然奇想天外・破廉恥極まりないとして多方面から「生理的に受け付けない」として酷評されてきたのは想像に難くない。 しかし、である。 1000年を経てようやく時代が追いついた。今や異性装ストーリーはひとつのジャンルとしても確立し、この手の作品はごまんと発表されるご時世となった。現代的な視点でこそようやく日の目を見た古典ともいえる。 時代の先駆者はどこの世界にもいるもので、後世の作家は1000年前の発想をも越えなければ模倣となってしまうのだから大変ではある。

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