象と耳鳴りの評価
象と耳鳴りについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
象と耳鳴りの感想
全てのお話が面白い!
表紙の装丁がオシャレまず、紙媒体の醍醐味を味わえるものとして、表紙の紙の材質と手触りが、他の本とは少し違っていて、こだわりを感じることができます。鮮やかな緑と文字のみの、レトロでありながら新しいデザインもとても気に入って、思わず手に取り、買ってしまったのでした。何度も読み返す前提の手触りなのかも知れません。そしてその通り、何度も読み返し、持つところが少し黄ばんでまた違った味わいが出て来るくらいの愛読書となったのでした。バッチリと結末が分からない酩酊感真実はいつも一つ、といったような劇的な逮捕などはなく、読者にそれとなく結末を推察させるような、独特の雰囲気を漂わせています。他シリーズで活躍する登場人物たちもチラッと出て来たりもしますが、全体的に、読後感はクラクラした目眩を感じ、なんだか自分の立つ世界がとても頼りなくなってしまったかのような心細さを感じます。日常だと思って何気なく見ていた塀...この感想を読む