第一阿房列車の評価
第一阿房列車の感想
乗り鉄百閒
いまでいうところの鉄道エッセイです。でも列車に乗ることそのものが目的のようでありつつも、目的地でのごちそうとか宿のこととか、同行者との会話とか、そういうことがメインなので、旅行記といった感想を持ちました。根本的に、「借金してでも行く」というところが百閒先生の面白いところだと思います。しかも、一等車両・・・人の金で贅沢するなんて、普通の人の発想じゃないですね。だめだめな所も面白くて、お金がなくたって人生楽しむすべがある、こんなあてのない旅行こそが人生には大切なんじゃないかなとすら思えてきます。読んでいてむしろすがすがしい気持ちになります。良書だと思います。