ドミノのあらすじ・作品解説
ドミノは恩田陸の小説。真夏の東京駅に様々な事情を抱えた人間が集まり、それぞれの視点を通して交差する物語を描く。 すべては蒸し暑い夏の午後の出来事だった。1億円の契約書を待つオフィスから、一人のOLが差し入れの買出しをするために出かける。農家の老人は俳句仲間とのオフ会に参加するため、初めて上京してきた。これからミュージカルのオーディションを受ける母と娘。ミステリー会に所属する学生たちは、次期幹事長のポストを決めるため推理合戦をしている。ある青年実業家は交際している女性と別れるために従妹に協力してもらっている。訪日中のホラー映画監督とそのペットなど、計27人と一匹の物語が東京駅を舞台に複雑に交差するのだが、ある人物が持つ紙袋が入れ替わってしまうことで、物語は日本中を揺るがすような大事件へと発展していく。 登場人物の内面を微細に描きながら、緻密に計算されたプロットが物語を予想外の方向へと導いていく。
ドミノの評価
ドミノの感想
とても愛着のある1冊
今でこそ読書大好きな私ですが、数年前までは本をまったく読まない人間でした。そんな私が、読書にハマったきっかけになったのがこの本。友人が「恩田陸が好き」と言っていて、(好きな作家がいるなんて格好いいなぁ)と思っていた矢先、たまたま本屋で目にしたので購入してみました。いやぁ面白い。最初バラバラだったストーリーが、どんどんつながっていくところが、ワクワクしました。登場人物が多いため、途中混乱してくるところはありましたが、ストーリーが進むことでキャラクターを理解することができ、クリアになっていきました。最後のオチでは「おお~」と興奮。恩田陸さんはすごいです。
展開が楽しい作品
梅雨がやっとあけるくらいの7月は真夏に向けてほんっと蒸し暑くだるくなるほど。そんな中営業成績の締めが近くに迫り見た目際立つ生命保険会社から、差し入れ買い出しのために、一人のOLが走り出します。ここを物語のはじめとして、様々な境遇の様々な性格の様々な職種の人々の物語が始まるんです。その多種多様な方々の物語、そう人間関係が複雑に絡みつく。その絡みついた先には日本獣を震撼させる大事件へと向かっていく。えっ気になる気になる。まだまだ先を見たい。読む手が止まらなくなることでしょうが、登場人物がたくさんいるため、ちゃんと把握することができていないと面白みが半減して台無しになっちゃいますよ。ちゃんと覚えて最後まで一気に駆け抜けていってください。
ドタバタコメディー小説
様々なジャンルを描いている作者の作品であり、こちらはコミカルな作品になっています。どんどん読み進めることができる、スピーディーな流れるような展開が魅力です。ドミノというタイトルのように、ドミノ倒しによって、どんどんと人の行動が人に影響を与えていく。そして加速していく。美男美女、ピザ屋の店員、俳句同好会の老人…たくさんのキャラが登場するにもかかわらず、どのキャラクターも個性がたっています。総勢27人の物語が最後はひとつに。東京駅がメインの舞台ですので、東京駅を知っているとより楽しめるのではないでしょうか。まじめに読むのではなく、気軽に読むのにはいい本です。