ドミノの感想一覧
恩田 陸による小説「ドミノ」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
とても愛着のある1冊
今でこそ読書大好きな私ですが、数年前までは本をまったく読まない人間でした。そんな私が、読書にハマったきっかけになったのがこの本。友人が「恩田陸が好き」と言っていて、(好きな作家がいるなんて格好いいなぁ)と思っていた矢先、たまたま本屋で目にしたので購入してみました。いやぁ面白い。最初バラバラだったストーリーが、どんどんつながっていくところが、ワクワクしました。登場人物が多いため、途中混乱してくるところはありましたが、ストーリーが進むことでキャラクターを理解することができ、クリアになっていきました。最後のオチでは「おお~」と興奮。恩田陸さんはすごいです。
展開が楽しい作品
梅雨がやっとあけるくらいの7月は真夏に向けてほんっと蒸し暑くだるくなるほど。そんな中営業成績の締めが近くに迫り見た目際立つ生命保険会社から、差し入れ買い出しのために、一人のOLが走り出します。ここを物語のはじめとして、様々な境遇の様々な性格の様々な職種の人々の物語が始まるんです。その多種多様な方々の物語、そう人間関係が複雑に絡みつく。その絡みついた先には日本獣を震撼させる大事件へと向かっていく。えっ気になる気になる。まだまだ先を見たい。読む手が止まらなくなることでしょうが、登場人物がたくさんいるため、ちゃんと把握することができていないと面白みが半減して台無しになっちゃいますよ。ちゃんと覚えて最後まで一気に駆け抜けていってください。
ドタバタコメディー小説
様々なジャンルを描いている作者の作品であり、こちらはコミカルな作品になっています。どんどん読み進めることができる、スピーディーな流れるような展開が魅力です。ドミノというタイトルのように、ドミノ倒しによって、どんどんと人の行動が人に影響を与えていく。そして加速していく。美男美女、ピザ屋の店員、俳句同好会の老人…たくさんのキャラが登場するにもかかわらず、どのキャラクターも個性がたっています。総勢27人の物語が最後はひとつに。東京駅がメインの舞台ですので、東京駅を知っているとより楽しめるのではないでしょうか。まじめに読むのではなく、気軽に読むのにはいい本です。
まさに「ドミノ」の如く連なる事象
私はこの筆者の本が好きで何冊か読んでいるが、他の作品とは一味違う風味で描かれた、この「ドミノ」という本。一つの出来事がまた他の事象に転化してき…などの、いわゆる「蝶の羽ばたきがある国で台風を巻き起こす」というような、バタフライエフェクトともいえば良いのだろうか、(いわゆるタイムトラベルを扱った作品でもよく使われるがこれはそういう類の小説ではないことを注記する)そういった出来事を全体でコミカルに描かれている。ドミノが倒れていくのには、もちろん理由がある。誰かが「最初」を始めなければならないからだ。その「最初」が一体なんなのか。そして、ドミノが倒れていく先には…まさに日常の渦に流されていくようなこの作品を、多くの人に読んでもらいたい。