十番斬りの評価
十番斬りの感想
安定の面白さ
いつもながらするするとあっという間に読んでしまいました。「まだ10人まりもいる」・・・死の病に蝕まれながらも悪人退治を続ける一人の剣客。小兵衛はその助太刀をします。どこか立派な人格を感じさせる乞食の正体が意外なものであったり、義兄の嫁の密通に関わる不穏な動きを案じたりと大忙しの小兵衛です。小兵衛はとにかく徹底的に強い。読んでいて不安がなく、楽しめます。おはるのほのぼのした可愛い女房ぶりも微笑ましいです。仇討ちや罪滅ぼしも出てきますが、どれも人間の情やしがらみの深さを感じます。本書に出てくる素朴なお料理はどれも美味しそうで、思い浮かべては思わずおなかがすいてしまいます。