回転木馬のデッド・ヒートの評価
回転木馬のデッド・ヒートについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
回転木馬のデッド・ヒートの感想
小麦粉の中にあるリアリティーを綴った小説
他とは趣の違う、村上春樹が人から聞いたとされる話この「回転木馬のデッド・ヒート」は、村上春樹が人から聞いた話を、なるべくその雰囲気を壊さないように文章にしたと“はじめに”に書いてある。私は個人的には小説の“前書き”や“後書き”はあまり好きではないし、それほど重要視もしていない。早くその小説を読みたいときは読み飛ばしてしまうことさえある。それをしないのは村上春樹やスティーブン・キングのような、私がいわば信頼している作家だけかもしれない(皮肉なことに彼らはそれほど“前書き”などを重要視していない)。彼らの書く“前書き”(この場合はこの“はじめに”と同意ということにする)はすでに物語が始まっている予感がするし、そこには何かしら見過ごしてはいけないものが潜んでいるような気さえするからだ。なのでこの小説に取り掛かる前にもきちんとこの“はじめに”は読んだのだけど、それによるとこの「回転木馬のデッド...この感想を読む