ラヴクラフト全集のあらすじ・作品解説
ラヴクラフト全集は、1974年に創元推理文庫より1巻が発行されたハワード・フィリップス・ラヴクラフトの短編作品集である。全9巻構成で、ラヴクラフト本人の執筆作のみをまとめた1~7巻と、共作・補作された作品を収録した別巻上・下巻で構成される。2012年以降、Kindleなど電子書籍に対応した発行も相次いで行われた。 ラヴクラフトの創始した作品間を跨ぐホラー的世界観・クトゥルフ神話体系は、「這いよれ!ニャル子さん」「斬魔大聖デモンべイン」など日本の文学・メディア作品にも明確な影響を与えた。本作品集では「インスマウスの影」「クトゥルフの呼び声」など、クトゥルフ神話体系が展開された作品を多数収録。「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」の概念の元、人間性を極力排した宇宙観と、それに基づいた狂気的な存在との遭遇が描かれ、クトゥルフ神話の原点に触れることができる。巻末にはラヴクラフトおよびクトゥルフ神話についての写真付き解説も掲載されている。
ラヴクラフト全集の評価
ラヴクラフト全集の感想
原作が面白い!
ゲームから原作へラヴクラフトと言えばクトゥルフ神話です。この全集はすべてクトゥルフ神話の原作です。クトゥルフ神話はTRPGやアニメといった感じで知っており、なかなか読み物としては手を出しにくいイメージの書物でした。日本の神話系小説もなかなか読みにくいものが多い故に海外ものというだけで遠巻きにしがちの部類にも入っていました。ですが、アニメやゲームになった事で物語に入り易くなっているのではと考え手に取ることが出来ました。実際にページをめくってみると見事に活字ばかり。挿絵の一つもありませんでした。もちろんゲームでお馴染みの神話生物の挿絵なんてありません。小説の最後に舞台となった町や世界の地図が載っていますが物語の中には一切ありませんでした。ルールブックですら挿絵があるのに原作は無いのかと正直落胆もしました。ですが物語を読み進めるとこれがなかなかに面白いのです。きっかけがゲームやアニメだと話のとっ...この感想を読む
クトゥルフ神話が初めての方におすすめ
アメリカの幻想・恐怖小説家、鬼才ラヴクラフトが生み出したクトゥルフ神話の全集の第2巻です。好みの合う友人に勧められて購入してみましたが、1巻がなかったので2巻です。短編集なので、どこから読んでも問題はありません。なんでしょう、独特な恐怖感とこの後どうなるんだろうと考えながら読み進めてしまう作風です。びっくりするような恐怖感ではなく、じわじわぞくっとくるような怖さです。落ち着いた暗めな部屋で一人で読むのに最適だと思います。クトゥルフ神話が初めての方でも読みやすい。というか、初めての方向けなのかな。他の巻も読みたくなってしまう満足のいく内容でした。