ラッシュライフの評価
ラッシュライフについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
ラッシュライフの感想
芳醇な白い球体のパズル。
普通の人々の本性ラッシュという言葉を聞くと通勤ラッシュや帰省ラッシュなど、忙しない現代の普通の無個性な人達の生活が連想されないだろうか。しかしこの「ラッシュライフ」と名付けられた小説の中には所謂「普通」の人など存在しない。泥棒で生活している男、神様を妄信する自死遺族の青年、不倫相手の妻を殺そうとする女性カウンセラー、無職になり自暴自棄になって泥棒をしようとする中年男、などなど。あらすじだけ読むと何でもありの派手なミステリー小説のように思える。しかし実際に読んでみるとこの小説のテーマは現代の人間の思う普通とは何か?幸せとは何か?というひたすら根源的で地味なテーマであると気付く。この小説の中の登場人物は読者から見るとかなり異質であると感じられるが、当の登場人物達はまったく自分を普通であると認識していると感じられるセリフの言い回しが多い。それ故いっそう読者達にとって登場人物達の異質さが感じら...この感想を読む