アナ・トレントの鞄の評価
アナ・トレントの鞄についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
アナ・トレントの鞄の感想
空想の品物を届けに
映画『ミツバチのささやき』に登場する、アナ・トレントの鞄を仕入れに出る旅。 基本的クラフト・エヴィング商會の本であると云える。時空を越えた旅の形態がより顕著に。その意味では『らくだこぶ書房~』に近いものも感じるが、この本では商會の人間自身が時空を越えているので少し違う。商品カタログ、という点では『ないものあります』『どこかへいってしまったものたち』にも通じるが、それらに比べて絶対的に紹介文が少ない。説明が短い。しかし、それだけで商品がどんなものであるのか、最低限の情報を得ることができ、また、読者側が想像を膨らませる余地も存在するため、的確な文章ではないだろうか。 さらに今回も、坂本真典氏の写真が秀逸で、登場してくる商品の雰囲気をも写し撮っているといえる。被写体となる、商品の姿が素晴らしいから、とも云えるが。相変わらず、細部まで凝っている本である。 気になった商品は、『シガレット・ムービー』...この感想を読む