ハゲタカの評価
ハゲタカについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が4件掲載中です。
各項目の評価分布
ハゲタカの感想
バブル崩壊後の死屍累々とした日本の金融界を舞台に、"ハゲタカ"と呼ばれる外資系ファンドの活躍を描いた、真山仁の問題作「ハゲタカ」
なぜ彼らは"ハゲタカ"と呼ばれるのか。それは、潰れかけた企業を屍肉に喩えて、屍肉を漁り、奪い去り、後には何も残さない猛禽類のやり口を、豊富な資金で、財務が傷みきった日本企業を根こそぎ攫っていった、外資系金融に喩えた絶妙の表現です。つまり、外資が流入することによって、もう一度戦争に負けたような感情論が、彼らのことを“ハゲタカ”と呼ばせたのではないでしょうか。今までのぬるま湯経営から、合理的経営に変わるのですから、キツくなるのは当たり前でしょうね。真山仁の「ハゲタカ」に出てきた、栃木の足助銀行(どこだか一目瞭然です)も、地元企業に対して、随分とヌルい融資を重ねてきました。それが経営破綻した途端、債権の取り立てが厳しくなるのですから、債務者はたまりません。文句の一つも言いたくなるでしょう。だが、バブル崩壊前の日本経済にはびこった、強引な創業者一族、山のような不良債権、そして、粉飾された決算報告...この感想を読む