マグマの評価
マグマの感想
地熱発電と政治をうまく絡めた作品
あまりクローズアップされることの無かった地熱発電を政治や経済と絡めてうまくまとめた作品です。物語は主人公が休暇明けに出社すると自分の所属部署が無くなっているという驚くべき状態から開始されますが、外資系企業ではこんなことが起こりうるんですかね。あまり経済小説には馴染みがないのでかなり荒唐無稽に思えました。作品の構成や文章はわかりやすく、地熱発電について良く知ることができました。原発問題がある日本にとって本腰を入れて本気で取り組みさえすれば、原発の代わりにすることは夢ではないと思います。地熱発電に携わる人々や政府には頑張って欲しいと感じました。今の時代に読んで欲しい作品です。
地熱発電の可能性
外資の投資ファンドが地熱発電の再生に着手。反原発と地熱推進の裏に絡んだ政治背景や、開発に関わる人々の姿を描く。細かく説明された地熱のしくみや、開発拠点となる地元の切羽詰った不安がよく伝わってくる。又、反対派賛成派どちらにもあるドロドロした諸々が興味深い。福島原発後に読んだのだが、改めて地熱発電への希望を感じた。企業と地熱発電の繋がりがやや唐突な感がある(なぜ投資ファンドがそこに着目したのかという理由付けがもっと詳しくあったらいいと思った)。しかし、原発を今なお推進しようとする人々に怒りをもっていた立場としては大変興味深い作品であった。発電に関する物語は特別な期待を持って読んでしまう。テンポ・人物像、共に良い。希望が見える作品。
地熱発電のことが理解できました
スケールが大きな小説だったので、読むのが少し大変な印象があります。 ただ、内容や文章力、物語の構成は抜群です。地熱発電というあまり聞きなれない難しそうなものがテーマに掲げられていますが、最初のほうのページに地熱発電の仕組みや日本の火山帯と地熱発電所の図が載っていましたので、わかりやすかったです。 主人公の野上妙子が、出来る女の典型と言った感じで、自信家なところが面白かったです。もちろん格好良かったですよ! WOWOWでテレビドラマ化もされているようなので、そっちも気になります。わたしの大好きな女優の尾野真千子さんが主演をされているらしいので、ぜひ見てみたいです。