号泣する準備はできていたの評価
号泣する準備はできていたについての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
号泣する準備はできていたの感想
分からない、分からない、
『号泣する準備はできていた』題名に惹かれ、選んだ1冊。江國香織さんの本を読むのは初めてのことだった。中に収録されている物語の題名を見ても、全くどんなことが書いてあるのか想像することができなかった。まず『前進、もしくは全身のように思われるもの』を読んだ。読み終わってからの第一声は、「分からない、分からない」であった。今まで読んできた本は、ストーリーに重点を置いて読んできていた。それは、この本を読んで気づいた。自分は、読み方に習慣(偏り)があったらしい。美術館での心持ちを思い出した。初めて美術館に連れていってもらった時、「私、全然芸術分からない」と呟いたら、「分かるとか、分からないの問題じゃないのよ。え?、とか、これなんか変、とかそういう心がちょっと動く瞬間があればいいのよ。」と教えてくれた大人がいた。この本は、美術館の心持ちで読まないと、読めない。収録されているどの物語も、激しい感情、う...この感想を読む