設定を生かせていない感が拭いきれないサスペンス
あまりにも似ていない姉妹この物語の主人公は、ハーフながらも東洋人系の顔立ちを持つ女性だ。地味だとかブスだとか揶揄されながらも、自分は美しいと密かに思っている。対して妹ユリコは類まれな美人で、そのあまりの美しさから、近寄りがたいオーラさえ発している。妹が美しすぎるためから、姉は“妬み”“嫉み”といった負の感情を膨らまし続けている。主要人物はこの主人公の姉、美人の妹ユリコ、努力家の和恵、Q学園の天才ミツルの4人だ。そして物語は主人公の女性の語り言葉、妹と和恵それぞれの日記、妹を殺した相手の裁判でのミツルとの再会、和恵とユリコを殺したとされるチャンの供述とに分けられる。そのため、主人公の女性からの立ち位置だけでなく、登場人物それぞれの立ち位置から同じ出来事が語られるため、違った見方ができるのはうれしい設定だ。ともあれ、このハーフの姉妹は、本来なら仲の良いかわいらしい姉妹だったはずが、美しすぎ...この感想を読む
1.51.5
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