虞美人草の評価
虞美人草についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が3件掲載中です。
各項目の評価分布
虞美人草の感想
傑作
文章に難解な部分が多いがじっくり読むと素晴らしい。漱石の初めて手掛けた小説として、職業作家になって最初の作品ということで、しっかりと長編で読み応えがある。「坊ちゃん」や「吾輩は猫である」のイメージが強いが、この作品も男女の切ない関係を描写していて、「漱石はロマンチストだったのだなぁ」と、いつも思う。最初はとにかく美しい文章に目が眩んで、至福の一時を味わっていましたが、人前だったので、文字通り涙を流したわけではないけれど、久しく感じたことのない感動を味わった。これは著者の代表作ではないのかも知れないけれど、それでもとても素晴らしい作品でした。