フラッタ・リンツ・ライフの評価
フラッタ・リンツ・ライフの感想
フラッタ・リンツ・ライフにおけるクリタの考察
クリタという人物についての考察本書はパイロットのクリタ視点で描かれている。前作にも少しだけ出てきたクリタだが、クサナギやカンナミに比べると、地味な存在である。本書にも、「基地の飛行機乗りの中では一番普通」と評されている場面がある。エースパイロットと称されることは無いが、クサナギとの付き合いは一番長く、信頼を置かれており、そこから、かなり腕の立つパイロットであることが推測される。感情の起伏があまりなく、他のパイロットと比べると順応性もある。負傷して飛行機に乗れず療養生活を送っている時も、「こんな場所で、空も見えないような場所で、人間は生きていけるものなのだ、と気付いて。」と、自分の境遇を受け入れている。そんな、平凡で穏やかな性格のクリタが、譲れない大切なものとして心を乱すのがクサナギの存在だ。触れなくても、一緒に飛べるだけで、愛を感じることが出来る。その思いは、クサナギがティーチャを慕う...この感想を読む
仕事は戦争
戦争をするのが仕事だという、大人になれない子どもたち・キルドレ。彼らを中心に、哲学的な問題提起をふまえて進んでいく作品、スカイクロラシリーズ。毎回、死や生とはなんなのかについて考えてしまう。時間軸で言えば三冊目になるのかな。そういうところが、ちょっとややこしいシリーズ。なぜ時間軸と出版する順番をそろえなかったのか。今回の主人公はクリタ。戦闘しながら自問自答をする。それを読んで、読み手もまた自問自答をし、考える。そんな本だと思う。毎回、多少の青臭さはあるが、その設定や思考、仕組みに飲み込まれてしまう。装丁がおしゃれ。こういうシンプルな装丁が一番すき。