中島らもの天才ぶりが実感できる作品
難しい!一番最初に読み始めた印象はまずこの一言だった。中島らもと言えば「アマニタ・パンセリナ」とか「僕に踏まれた町と僕が踏まれた町」とか名作ではありながらもエッセイのようであり、読みやすいものが多かったからだ。なにしろ最初のテーマが「宇宙」である。そこから「ミクロとマクロ」と続く。それら小さなタイトルたちは大きなタイトル「僕にはわからない」の枠の中に入るのだけど、これらのテーマすべてが本当に難しい。のだけれど、中島らものわかりやすい文章がそうさせるのか、わからないのだけどどんどん読んでしまう。わからないなりに何か知的好奇心をくすぐられるような、いい文章なのである。結局よくわからなかったりするのだけど、普通分からない内容の文章は頭の中に入ってこず目滑りするものなのだけど、中島らもの文章に関してはそれがない。きっとそれは中島らも自身も分からないということを理解した上で書いているからなのかも...この感想を読む
3.53.5
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