雨天炎天の感想/考察/ネタバレ

理解が深まる小説レビューサイト

小説レビュー数 3,368件

雨天炎天

4.504.50
文章力
4.38
ストーリー
3.75
キャラクター
3.88
設定
4.13
演出
4.25
感想数
4
読んだ人
4

雨天炎天の感想一覧

村上 春樹による小説「雨天炎天」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

「すばらしい」と言いに行くのが目的ではない、旅の記録

ギリシャ正教の聖地・アトス島と、トルコの辺境を旅した旅行エッセイ。旅行とは何か?という問いがあったとして、「それは知らない土地に行くことです」という答があったとしたら、この本はまるまる一冊かけてその答を提示してくれている。前半の「アトス編」はびっくりするところが多い。場所の状況、設定がまずすごい。完全に女人禁制の、ギリシャ正教の教会だけが存在し、修験者と呼ぶにふさわしい、修行僧たちがいる秘境の島を、日本人がたった二人で巡るのである。劣悪な環境や修業の過酷さ、食生活に至る驚くべき戒律に、筆者は率直に驚き、率直な感想を述べている。「旅」というには過酷な、つぎの修道院に辿り着かなければ野宿、というほとんど罰ゲームのような旅行記が、しかしどんなグルマンな旅行記より、そそるものを湛えている。後半の「トルコ編」もすさまじい。国境付近で兵士に機関銃を向けられながら、将校と写真を撮ったりしてる。わざわ...この感想を読む

5.05.0
  • nyan_chunyan_chu
  • 130view
  • 588文字

雨天炎天が好きな人におすすめの小説

ページの先頭へ