ももこの話のあらすじ・作品解説
「ももこの話」は、1998年7月に集英社より刊行された、漫画家・さくらももこによるエッセイ集。「あのころ」(1997年集英社、2004年文庫化)、「まる子だった」(1997年集英社、2005年文庫化)に続く自伝エッセイ三部作の完結編である。2006年には同タイトルの文庫本も出版されている。 長期に渡りアニメ作品が放送され、実写ドラマ化、新聞での連載もされた代表作である漫画「ちびまる子ちゃん」(第13回講談社漫画賞少女部門受賞)の原点ともいうべき子ども時代を、筆者自身が振り返る形で綴った自伝的エッセイ集である。漫画にも度々登場する家族や学校の友達との触れ合いが中心となっており、漫画と重複するストーリーもあるものの、漫画とはまた違った自己懐古的・分析的な切り口で書かれている。 漫画家としてだけでなく、作詞家、エッセイスト、絵本作家、その他多方面の分野に渡って活躍する筆者の幼少期を知ることが出来る作品として定評がある。
ももこの話の評価
ももこの話の感想
情景が目に浮かぶ、思い出アルバムのような本
あのエピソードの詳細がここにあのころ、まる子だった、ももこの話シリーズの最終巻である。どの話も、原作を熟読し、アニメも見ている人には、既視感があるエピソードばかりだが、この話は実際はこんなオチだったのか、こんな過程があったのか、という、原作では描き切れなかった部分が満載な点に読み応えを感じる。中でも圧巻なのが、中条きよしの「うそ」や、殿さまキングスの「なみだの操」といった、子供が歌いにはあまりにいわくありげな歌をまる子が風呂場でヒロシに特訓するシーンだ。大筋ではあっているのだが、微妙に語尾や助詞を間違い、何度も歌詞が違うとまる子に切れられるシーンは、てっきりこういうことがあったのを、さくらさんがおぼろげに記憶していて、それを若干デフォルメしたのではないかと思っていたが、どうも何度も何度もこういう歌の練習を繰り返し、その旅に父ヒロシさんが同じところで間違え、その度に怒ることを繰り返したた...この感想を読む
まるちゃんとたまちゃん
本当に大切で仲の良い友達って、人生でどれくらい出会えるんだろうと思います。長く続く友達ってええなぁって本当に思うし、大人になると、子供の時のように友達も出来ないので、すごく友達の存在は大事になってくる気がします。確かたまちゃんが留学するとかで、遠くに行ってしまうっていう話が載っています。何だか色んな気持ちが伝わってきて胸がキュンとしました。父ヒロシの話にも癒されて、何だかほっこりする『ももこの話』です。漫画やアニメのちびまるこちゃんを観ていても、たまちゃんの存在は大きいのが分かるので、すごく大事な思い出を書いたんだなぁと思いながら読みました。ほっこりします。
さくらももこ=ちびまるこちゃん
作者の小学校3年生頃の話。ザ、ちびまるこちゃん!である。何十年も見続けている、あの日曜6時の「ちびまるこちゃん」そのものである。一つ一つのエピソードが本当に面白い。声を出して笑ってしまうレベルなので電車の中で読むのは危険かもしれない。もも子はなんでこんなにくだらないんだろう、ヒロシはほんとにこんな感じなんだな、などなど、誰が読んでも笑えるだろう。もも子のおばかさは勿論鉄板だが、この本の素晴らしいところは「あとがき」だと思う。散々笑った後「ふ~。あとがきか~。」と気持ちが一段落したところで何気なく読み始めると・・・・・・おとなになったまる子(つまり、さくらももこ)がまた笑わせてくれるのである。彼女はあのまま大人になったんだなぁと、感慨深いものがこみ上げてくる。