スカイ・クロラの感想一覧
森 博嗣による小説「スカイ・クロラ」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
なぜストーリーが破綻しているのか
シリーズ名の看板にして、問題作まず初めに、この小説はシリーズものであることを示しておく。このスカイ・クロラという小説、これ一つでも成立はするが、その話の真相はナ・バ・テアから続く一連の作品を読まなければわからない。もしこれを読んでいるあなたがスカイ・クロラしか読んでいないというのならば、これ以降の文章はわけがわからないことだろうとだけ言っておこう。さて、このスカイ・クロラシリーズ全てを読んだ人にとって、この作品ほど厄介なものはない。クレイドゥ・ザ・スカイも難解だが、あちらはわかってしまえばただの叙述トリックのようなものである。あれは主人公が草薙であることを意図的に栗田のように見せることで、混乱を誘っていただけだ。初めからこれは草薙水素だと思って読めば、実にすんなり理解できる。ちょっと違うっぽい?と思う文章は、作者の騙しなのだ。しかしこのスカイ・クロラは、そう単純ではない。スカイ・イクリ...この感想を読む
スカイ・クロラの魅力についての考察
Fはじめに~本書についてと、考察についてスカイ・クロラシリーズと称されるシリーズの第一巻目。シリーズといっても、この一巻で一つの話は完結している。森作品のいずれにも言えることだが、全ての小説がどこかで連結していて、ところどころに伏線が張り巡らされている。森作品を何冊か読んだことのある読者なら、「一冊だけを取り上げて考察するなど、到底無理だ」と思うかも知れないが、森博嗣ファンとしてではなく、一読書家として、他話を踏まえず本書だけを考察してみる。そうすることで、このストーリーを純粋に楽しみ考察することが出来ると思っている。架空世界をリアルに描き出す表現力の考察まず、主人公目線で突然当たり前のように話が始まるが、明らかに舞台は我々の住んでいる場所ではない。登場人物はカンナミ(後の巻で函南と分かる)、草薙、土岐野など、日本人のような名前だが、日常のように殺し合いの戦いが起こっている。しかも戦闘機...この感想を読む
哲学的
スカイクロラシリーズの第一段。森博嗣作品の得意とする生と死について上手く書かれている作品。物語は、民間の軍事企業に戦闘機パイロットの主人公カンナミが欠員のため新しい基地に配属になるところから始る。読み始めは、キルドレとは何か、欠員した人物(キーパーソン)の謎など分からないコトが多いが読んでいくうちに自然と謎が解けていき核心に迫っていく。 わけがわかるまでは退屈かもしれない。アニメを見てから読むと読みやすいかも。戦闘シーン(空)はもちろんのこと、日常シーン(地上)も綺麗に書かれており想像しやすい。全体としては哲学的、抽象的作品ではあるが他の作品と比べ読みやすいと思うので普段哲学ものが苦手だけど少し読んでみたいと言う人にもオススメ。
ハマらないと読めない
多くの著書がある森博嗣だが、なんとなく読まず嫌いをしていた。代表作の一つであるこの本に最初に手を出したのは間違いだったのかもしれない。一言で言うと「よく分からない」である。奇抜な設定で登場人物の背景などが謎だらけ。トリッキーな雰囲気がずっと漂っており、最後まで「?????」だった。分かる人には分かるのだろうか。ハマった方々にこの本の解釈を是非教えて欲しい。嫌味でもなんでもなく、どんな視点で読めばいいのかを本当に知りたい。「よく分からない。でもちょっと気になる」と言う方が正しいのかもしれない。シリーズすべて読んでからレビューを書くべきだったが、読む気になれない。機会があったら読んでみようかな・・・・・・。