一九七二年のレイニー・ラウの評価
一九七二年のレイニー・ラウの感想
品があるストーリーと文章で読みやすくうまい
品があり優しい作品群8つの作品が収められていて(エピローグ、プロローグ的な作品も含みます)、一気通読して、それぞれの物語がテーマや登場人物が違いこそすれ、同じ作者により書かれたものだとわかります。一言で言えば、品がある、ということなのでしょうが。決して、文章が荒れたりせず、それぞれのシーンは柔らかくつながれ、登場人物たちの会話もどちらかというと物静かに、丁寧な受け答えを通して、進んでいきます。そしてそれぞれの主人公は決して本心を言葉では語らず(脇役の人が代弁することこそあれ)、恋という関係性のもと、大人の男女がそれぞれの気持ちを探り探りして、最後は、成就するかな、というところで、いずれの物語も幕を閉じます。とにかく優しくて、まるで、記憶を呼び起こし、角を取って、セピア色にデフォルメして、書いているという感じなんでしょうか。奇しくも作品の一つで、「経験が少ないことの自覚」して、「可能性が...この感想を読む