毒笑小説の評価
毒笑小説の感想
多彩なブラックコメディ作品群だが、平均的
縦横無尽のひらめきで多彩な作品群バラエティに富む内容のブラックコメディーな作品群が並びます。誘拐天国(孫に会えない爺さんのため誘拐を働く仲間、しまいには孫の友だちまで誘拐するという。身代金がたった一億円と激昂する場面は笑います)、エンジェル(と呼ばれる新魚の変遷。食への欲とのからみが秀逸な構図になっています)、手作りマダム(会社の上司夫人のお茶会への参加と我慢を描いてます。親切心から生まれる迷惑行為がブラックな笑いになってます)、マニュアル警察(せっかくの自首がマニュアル化にはばまれる話でもどかしい!)、ホームアローンじいさん(家族のいないすきにAVを見ようとしての悲喜こもごも、強盗も登場します)、花婿人形(おぼっちゃま君の話。親の許可が必要な男。クライマックスは結婚式。トイレに行くチャンスがないのだが)、女流作家(子供を産んだ後、姿を見なくなった作家。〆切は守っているのだが)、殺意取...この感想を読む
著者の多面的な魅力に感服。
タイトルどおりに、ブラックな毒が笑いを誘う短編集。「~笑小説」シリーズの2作目です。「誘拐天国」、「エンジェル」、「手作りマダム」、「マニュアル警察」、「ホームアローンじいさん」、「花婿人形」、「女流作家」、「殺意取扱説明書」、「つぐない」、「栄光の証言」、「本格推理関連グッズ鑑定ショー」、「誘拐電話網」の12編。このなかでも「ホームアローンじいさん」には爆笑!おじいちゃんかわいい(涙)天然系の笑いにはまりました。物語の後の騒動を想像するとちょっとおかしくも切ないです。「つぐない」は毒笑小説のなかでも好きなお話です。最後にはほろりとさせられました。
ブラックユーモア満載
友人に勧められてよんだ。とても面白い作品。星新一や筒井康隆の作品を好きな人におすすめしたい。皮肉や風刺などの要素も入っている。ブラックユーモアがたっぷりで、くすっと笑える。文体も堅苦しくないのでさくっと読める。東野圭吾の作品が苦手だという人にもおすすめしたい作品。いくつかの作品はどこかで映像化もされていたようで、「見たことがある」と感じるものもあった。誘拐天国、マニュアル警察、殺意取扱説明書、ホームアローンじいさんが特に好きだ。特にホームアローンじいさんは、AVが見たくて孫の部屋に侵入する。おちゃめで、読んでいてとても微笑ましい。