夜は短し歩けよ乙女の感想一覧
森見 登美彦による小説「夜は短し歩けよ乙女」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。
読めば読むほどハマる本。
森見さんの文章は、初めての人には読みづらいかもしれないけれどこの語り口調じゃないと森見ワールドは成立しない、と思う。私も最初は面食らったけれど、読み進めてこの独特の世界にはまった頃には難なく読めるので問題なし。一人の少女に想いを寄せる先輩。頑張って少女の視界に入ろうとするけれど「先輩、奇遇ですねぇ」の一言で一蹴される先輩。先輩は少女に想いを伝えたいだけなのになんとも不思議な世界の不思議な人たちの不思議な出来事にどんどん振り回されていく。そして、それは少女も同じ。だけど、それを楽しんでいる少女を見ていると、こちらまで楽しくなる。なぜか、たまに読み返したくなって読んでみて前とは違った面白さを感じるという不思議な本です。
森見ワールドにはまります。
ステキで不思議な恋愛ファンタジー。小難しい文章、言葉に戸惑う反面、文章のリズムが軽快!ひとつひとつの言葉をかみ砕きながら読み進めました。綺麗な言葉の勉強になりました。ノスタルジックでロマンチック、そしてエキセントリックな世界。純粋無垢、自由奔放で天然な黒髪の乙女に恋する、先輩があくせく彼女との距離を縮めようと外堀を埋めていくのに、乙女が全く「奇遇」として取り合わず気づかない。先輩の失敗してしまう様がおもしろい反面、ちょっと同情してしまいました・・主人公2人を取り巻く名脇役達も総じて魅力的!おもしろかったー!とお気に入りの一冊になりました。また再読します。
京都の街を堪能。
森見 登美彦さんの名前を世に知らしめた一作。何とも言えない独特の表現は、ちょっと古臭い感じがあってはっきり言って読みづらかったんだけど、キャラクターにすごい個性があって、一人一人が人間くさく、魅力的。何度も読み返しながら引き込まれた感じ。読み返しながら読むので時間がかかったけどだんだんそれも慣れてくるので、最後は一気に読んじゃった。京都の街を知って読むときっともっと楽しいんだろうと思う。想像で京都の街が出来たので、いつかは、実際行って確かめたいなと。また、ちょっと置いて読み返すとまた違った面白さを感じる一冊じゃないかと思う。手元にずっと置いときたい一冊。
キャラクターがいい
筆者の名を世に広めた代表作。一時はとても話題になった。なんとなく古めかしく、ポップな文体は、慣れるまでの間、少々読みにくいかもしれない。しかし、なれてしまえば、この文体の虜になるだろう。キャラクターのひとりひとりに人間味があり、とてもすばらしい。京都が舞台で、キャラクターひとりひとりのひたむきさや素直さに惹かれる。定期的に何度でも読み返したくなる作品だ。この小説を読めば、きっと京都の古書市に、行き、絵本を探してみたくなるだろう。内容も文体も難しくはないので、小学生や中学生でも読むことができると思う。読書感想文などの題材にいかがだろうか。