それが偶然のすれ違いになるか、それとも運命の出逢いになるか、すべては己にかかっている。
パンツ総番長
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夜は短し歩けよ乙女の名言集です。現在5件が登録されています。
パンツ総番長
一度だけあった彼女を探すために、学園祭でゲリラ劇をおこなっているパンツ総番長。自分の力でその彼女を探し出してみせる、彼女との出会いを運命にしてみせるという熱い思いと決意が伝わってくる言葉。
黒髪の乙女
たとえば手近な人間のほっぺたへ、やむを得ず鉄拳をお見舞いする必要が生じた時、人は拳を堅く握りしめる。 その拳を、鉄拳たらしめるのはその親指、親指をほかの指でくるみ込むようにすることで招き猫の手のような愛らしさをたたえ、憎しみも込めようがなく、かくして暴力の連鎖は未然に防がれるのだ。
先輩
憧れの彼女への行く手を阻む友のズボンのベルトを引き抜き、ズボンがずり落ちる隙に彼女を追う。その際に行った主人公の言葉
東堂さん
夜の街で、黒髪の乙女は「東堂さん」と出会う。 東堂さんは黒髪の乙女と酒を酌み交わしながら「幸せとは何か」について語ります。
樋口さん
主人公が初めての夜の酒場に行き、出会った女性・羽貫さんの連れだった樋口さんが主人公に会った瞬間に言ったセリフ。不思議なストーリーの入り口で出会った比較的、普通の人のように見える樋口さんがこのセリフを言うことで、さらに物語が不思議世界へと入っていく序章のように聞こえる。
森見さんの文章は、初めての人には読みづらいかもしれないけれどこの語り口調じゃないと森見ワールドは成立しない、と思う。私も最初は面食らったけれど、読み進めてこの独特の世界にはまった頃には難なく読めるので問題なし。一人の少女に想いを寄せる先輩。頑張って少女の視界に入ろうとするけれど「先輩、奇遇ですねぇ」の一言で一蹴される先輩。先輩は少女に想いを伝えたいだけなのになんとも不思議な世界の不思議な人たちの不思議な出来事にどんどん振り回されていく。そして、それは少女も同じ。だけど、それを楽しんでいる少女を見ていると、こちらまで楽しくなる。なぜか、たまに読み返したくなって読んでみて前とは違った面白さを感じるという不思議な本です。