砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの感想/考察/ネタバレ

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小説レビュー数 3,368件

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

4.504.50
文章力
4.50
ストーリー
4.40
キャラクター
4.50
設定
4.17
演出
4.17
感想数
4
読んだ人
7

砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけないの感想一覧

桜庭 一樹による小説「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」についての感想が4件掲載中です。実際に小説を読んだレビュアーによる、独自の解釈や深い考察の加わった長文レビューを読んで、作品についての新たな発見や見解を見い出してみてはいかがでしょうか。なお、内容のネタバレや結末が含まれる感想もございますのでご注意ください。

愛情

父と娘。「私の男」が代表であるが、桜庭さんの作品のテーマとして知られているこの2者の関係。この作品の中では海野家の父と娘が、歪んだ愛情互いに表現している。「汚染なの。」これは、父から受けた虐待の跡を指す藻屑の表現である。それは父親を庇うためであると同時に、愛ゆえに存在してしまう感情の歪みを表現したものであると私は捉えた。初めて私と藻屑が会った日、「死んじゃえ」と藻屑が言ったのも本人にとっては愛情表現だったのである。このことからも、藻屑にとって愛と死は紙一重なことが分かる。ではなぜ愛と死という一見矛盾しそうな感情が紙一重になるのか。“Because I miss you.”「答えられたらヤバイクイズ」として紹介されているこの答えがそれを示している。このクイズでは愛する人とは別の対象を殺しているが、対象は愛する相手にも及ぶ。相手を愛して止まない、その感情を「相手を殺す」ことによって保存出来るのである。殺してし...この感想を読む

5.05.0
  • ミッチミッチ
  • 155view
  • 569文字

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