太宰治 人間失格の評価
太宰治 人間失格についての評価と各項目の評価分布を表示しています。実際に小説を読んだレビュアーによる評価が1件掲載中です。
各項目の評価分布
太宰治 人間失格の感想
一人きりの小説、人間失格
人間失格は一か八か。太宰治の人間失格は多くの人が知っている作品でありながらあらすじを言える人間は少ないだろう。読んだ人間にならわかると思うがあらすじと言えるあらすじがこの話の中にはない。紹介するならば「とあるどうしようもない可哀想な男の一生」とでも言うのだろうか?主人公にあたる大庭葉蔵は小さなころから何もわからない男だった。他人が何を考え生きているのか、不幸の度合い、幸福とはなにか、何一つ理解出来なかった。しかし彼は聡く、自分が異質であることだけはわかっていた。わからないものほど恐怖を感じるものはないだろう。しかしそれでも彼は人を求めた。それが晩年まで彼を苦しめた一部であることは確かだろう。人間失格は「はしがき」から始まって第一の手記から第三の手記、そしてあとがきで構成されている。はしがきは他者から見た大庭葉蔵が描かれている。葉蔵が写っている三枚の写真をとある男が見ている。一枚目は幼少...この感想を読む